第1話 双子の姉妹

西園寺さいおんじ家に新たな命が2つ生まれていた。


美優みゆ

「やっと、生まれたわ。」

リュカ

「あぁ、美優。お疲れ様。この子達には西園寺家の跡取あととりとして健康に育ってもらおう。」

美優みゆ

「名前は瑞希みき祐希ゆきよ。」


2人の誕生がのちの裏社会のボスとなる祐希と表社会を代表する瑞希の誕生であった。

それから、時は流れ4歳となっていた。


とある、ホテルの最上階レストランの個室では

西園寺家の分家である碓氷うすい家と西園寺家で食事会という名の顔合わせが行われていた。


いおり

「リュカ、美優。久しぶりだな。」

リュカ

「あぁ。」

美優みゆ

「祐希、瑞希。ご挨拶あいさつしなさい。」

祐希ゆき

「祐希です。」

瑞希みき

「西園寺瑞希です!よろしくお願いします!!」

いおり

「あぁ、よろしくな。ほら、お前達も挨拶をしろ。」


庵の後ろから3人の子供が出てきた。


みこと

「碓氷尊です。6歳になりました。よろしくね。」

じん

「神、5歳です。よろしくね!」

ひじり

「聖、4歳。よろしく。」


全員、人間ではない。

先祖せんぞには、いろいろな種族がいる。

全世界に22の種族がある。

天使てんし悪魔あくま・エルフ・ドワーフ・吸血鬼きゅうけつき人魚にんぎょ竜人りゅうじん妖精ようせい雪人ゆきと人虎じんこ土蜘蛛つちぐもぬえ猫又ねこまた天狗てんぐおに・ウルフ・サラマンダー(火の精霊)・ウンディーネ(水の精霊)・シルフ(風の精霊)・ノーム(土の精霊)・人間の全22種が生存せいぞんしている。

先祖に、どの種族がいるかはわからない。

この世界では、必ず種族が定められている。

親の種族がちがくても、どちらかの種族の血が色濃いろこ反映はんえいされている。

そのため、2種の種族のうちどちらかの種族にしかなれない。

戸籍こせきには、必ず種族が記載きさいされる。

先祖に他の種族がいても、両親の種族が同じなら純血じゅんけつの種族と認定にんていされる。

例)母親:エルフ 父親:エルフ→子:純エルフ

  母親:エルフ 父親:吸血鬼→子:エルフか吸血鬼

上記じょうきのようになる。

ごくまれに、二つの種族の特徴とくちょうをもって生まれることがある。

変異種へんいしゅと呼ばれ、戸籍に変異種と記載しなければならない。

変異種・〇〇と記載する。

〇〇には、二つの種族を文字ったものを記載となっている。

例)母親:ウルフ 父親:人間→子:変異種・人狼

  母親:エルフ 父親:ドワーフ→子:変異種・エルドワ

上記のようになる。

自身の戸籍には純血と記載しないといけないが、自身の両親や子供は種族名のみ。

ここにいるものは、全員吸血鬼である。


瑞希みき

みこと様!かっこいい!!!】

祐希ゆき

ひじり様…似てるかも。】

みこと

【2人とも可愛いな。】


リュカ

「今日は、みんなに話があるんだ。碓氷うすい家と西園寺さいおんじ家は代々、殺人特許を取得している。」

5人

「殺人特許??」

いおり

「あぁ、殺人を許された人間ということだ。お前達は、純血の吸血鬼だ。国から出された条件じょうけんがある。条件1、教育をしっかり受けていること。条件2、表と裏の後継者こうけいしゃが同一人物でないとする。条件3、直系の子孫しそんでないといけない。条件4、自身の私利私欲しりしよくのために殺人特許を利用しないこと。条件5、殺人特許を取得していることは他言無用とする。この条件を守らなくてはならない。」

美優みゆ

「簡単に言えば、あなた達全員が裏の後継者の資格しかくを持っているわ。表と裏の後継者は同じ人ではいけないの。だから、この中の2人がそれぞれの表の後継者になるわ。残りは、裏の後継者となるの。で、他の令嬢や子息が近づいて来ないように婚約こんやくしてもらうわ。いいわね?」

5人

「婚約…」


5人が困った顔をしていた。


リュカ

「今すぐにということではないよ。小学校卒業までに相手を決めてもらうよ。ここにいる全員が、10歳になった時に殺人特許を持っている家が全てそろうパーティーがある。そこで、ある程度の相手は決めてもらうことになるかな。まぁ、殺人特許を持つに相応ふさわしくない子もくるから全員が全員、特許を持てるわけじゃないよ。」

美優みゆ

「そうね、相応しくない子は最終選定で落とされるわ。最終選定で落ちた子でもその後の生活が変わるのよ。最終選定で落ちてしまい、組織から誰1人一族のものがいなくなったらその一族から組織の記憶は消えるわ。まぁ、それ以外は気楽にやりなさい。パーティーは本当にいい出会いがあるのよ。そこで、私はリュカとあったのよ。庵もロザリアと知り合ったのよ。」

いおり

「あぁ、そうだな。まぁ、全員に人殺しに特化とっかした訓練をさせる。そして、最終選定さいしゅうせんていは全員が中学を卒業した時とする。まぁ、善処ぜんしょしろ。10年ぐらいあるだろ手下てしたも自分で見つけろ。いいな?」

5人

「はい。」

祐希ゆき

【お姉様に殺人なんてさせられない!!!私が、お姉様を守って裏にいく!!!】


それから2年後、2人の6歳の誕生日


美優みゆ

「ここが、ショッピングモールよ。瑞希は誕生日ここでよかったの?」

瑞希みき

「はい!わたちはここに来たかったので!祐希ゆきにも、プレゼント買いたかったので!」

美優みゆ

「そう。それならいいのだけれど…それにしても、2人とも希望地が変わってるわね。ふふ。」

瑞希みき

「祐希はどこにしたんですか?」

美優みゆ

「それは、瑞希にはいえないわ。祐希にはリュカがついているから大丈夫よ。」

瑞希みき

「はい…」


祐希とリュカはというと…

ある国のスラム街に来ていた


リュカ

「祐希。どうして、ここなんだい?」

祐希ゆき

「お父様。暗殺あんさつの授業の時ここのこと言ってたから。」

リュカ

「そうかい。」


しばらく、2人でスラム街を歩いていた。

すると、1人の男の子がリュカ目掛めがけて、ナイフを持ちながら走ってきた。


リュカ

「おやおや、感心かんしんしないね。」


軽々かるがると、その男の子を止めていた。

祐希がしばり上げていた。


祐希ゆき

「なんで、こんなことしたの?」

男の子

「金が必要なんだよ!!!弟と一緒にいるガキ達が生きていくためだ!」

リュカ

「君はここの少年たちのリーダーなんだね。では、殺そうか。邪魔じゃまだからね。」

男の子

「こ…ろ、す?」


絶望ぜつぼうした表情をしていた。

リュカが殺そうとしたのを祐希がとめた。


祐希ゆき

「お父様!!お誕生日、この子が欲しいですわ。」

リュカ

「ただの人間を?」

祐希ゆき

「これ、人間じゃなくて、多分、ウルフ。」

リュカ

「!ウルフ族かい?よく、わかったね。」

祐希ゆき

けものくさいので…どうする?ここでお父様に殺されるか、私の手下になるか。」

男の子

「お、俺は…お嬢様についていきます!!」


男の子は泣き叫びながら話していた。

その光景こうけいを見ていた、他の小さい子も仲間にと言ってきた。


リュカ

「祐希、自分で決めなさい。」

祐希ゆき

「私の家族を殺そうとしたら、お前達を殺すわ。お姉様を泣かせたらそれも、処罰しょばつ対象よ。それで、よければ安全を保障ほしょうするわ。」


そこにいた、5人が祐希の手下となった瞬間しゅんかんだった。

この5人との出会いが祐希の今後を左右するとも知らずに…


スラム街から戻り、リュカの書斎しょさい身支度みじたくととのえられた5人がきていた。


リュカ

「自分の種族がわかるものはいいなさい。名前をあげよう。祐希から、名前の候補をあずかっているから漢字はこちらで考えさせてもらったよ。」

男の子1

「俺は、純血のウルフ族と人間の混血こんけつ。種族は一様、変異種へんいしゅ人狼じんろう。だから、俺は捨てられた。一族の恥晒はじさらしだと…。純血を大切にしていたから。年齢は多分、12歳。」

女の子1

「うちは、天狗てんぐ天使てんしの混血。変異種の狗使ぐしですぅ。年齢は10歳。」

男の子2

「僕は、天使てんし悪魔あくまの混血。変異種の天魔てんまです。年齢は12歳です。」

男の子3

「エルフとドワーフの混血です。変異種のエルドワ。11歳です。」

男の子4

「鬼と吸血鬼の混血。変異種の血鬼けっき、9歳。」

リュカ

「そうか、君たちは変異種の集まりだったんだね。では、順番に静稀しずきそらぜん楓雅ふうが音羽おとは名付なづけよう。5人とも訓練を受けてもらうよ。君たちには、西園寺家の使用人としてくしてもらう。」


これから

男の子1→静稀しずき

男の子2→そら

男の子3→ぜん

男の子4→楓雅ふうが

女の子1→音羽おとは

と表記します。


静稀しずき

「ウルフ族は、主人と決めた人にくすと決まっている。俺にとっての主人は祐希ゆき様だ!祐希様のためにこの命はささげる!」

そら

「そうですね。私たちのリーダーがそう言っているのでしたがいます。裏切るなどありえない。この御恩ごおん一生いっしょうをかけてお返しします。」


それから、数年がみこと:12歳、じん:11歳、ひじり祐希ゆき瑞希みき:10歳となった。

パーティー会場入り口


リュカ

「2人とも、楽しんでおいで。大人は、会場が別だからね。」

美優みゆ

「2人とも可愛かわいいわ。楽しんでくるのよ。」


瑞希・祐希

髪型:ボブ・ロング

ドレス:ピンク色の花柄はながらフォーマルドレス・紫色のオフショルダーロングドレス

髪留め:パールと花・黒色のレースのリボン

上記のような格好をしていた。


瑞希みき

「ありがとうございます!行ってまいりますね!」

祐希ゆき

「ありがとうございます。では、失礼します。」


パーティー会場内


ひじり

「やっときた!!祐希と瑞希!」

瑞希みき

「聖!よかったぁ、知り合いがいて。あのぉ、尊様はいないの?」

祐希ゆき

「お姉様、向こうで女性にかこまれていらっしゃいますわ。行ってきたら良いのでは?取られてしまいますわよ?」

瑞希みき

「で、でも…」


瑞希が頬を染めていた。


祐希ゆき

「はぁ。では、私がお連れしますわね。お姉様は、こちらでお待ちください。」


祐希は尊の方に歩いて行ってしまった。


ひじり

「いいの?兄さんのところに祐希をいかせて。」

瑞希みき

「うん。祐希も尊様のこと好きなのかな?好きだったら、どうしよう。」

ひじり

【それは、ないと思うけど…面白いしだまっとこ。】

「さぁね。祐希と兄さんが婚約者こんやくしゃになったらどうするの?」

瑞希みき

「それは…」


あからさまに悲しい顔をした。

今にも、泣きそうな顔をしていた。


ひじり

「まぁ、想像そうぞうの話だから!」


祐希は…


祐希ゆき

「尊様。」

みこと

「あぁ、祐希。」

女子1

「誰ですの!?」

女子2

「尊様にれしい!!」

祐希ゆき

「お言葉ですが…仮にも皆様、後継者とされておりますわ。そのように感情を出していては、殺されますわよ?見るところ、全然訓練もなされていないようですし…後継者にならないでいただきたいですね。足を引っ張られるのは面倒ですので。あら、私としたことが思ったことを全て話してしまいましたわ。」(すごくニコニコ話していた。)

みこと

【相変わらずすごいね。】

「祐希、ありがとう。じゃぁ、失礼するね。祐希の言っていることは正しいよ。」


2人に合流した。


祐希ゆき

「お待たせして申し訳ありません。」

みこと

「待たせてごめんね。」

瑞希みき

「大丈夫です!」

ひじり

「別に待ってないよ。」


するとそこに、ある男の子が話しかけきた。


???

「おい、お前。」

瑞希みき

「はい!?なんですか!?」

???

「そんなにおどろかなくても…まぁいい!俺は、財前ざいぜん白夜びゃくやだ!よろしくな!」

瑞希みき

「はい!西園寺瑞希です。よろしくお願いします。」

祐希ゆき

【ライバルグループの御曹司おんぞうしですわね。お姉様に一目惚れ(ひとめぼれ)でもしたのでしょうか?とても、顔が赤いのですが…】

「西園寺祐希と申しますわ。お姉様とは双子ふたごですわ。よろしくお願いいたします。」

ひじり

【めんど。絶対、瑞希にれてんな。れる予感。】

碓氷うすい聖です。よろしくお願いします。」

みこと

「碓氷尊です。よろしくお願いします。」

白夜びゃくや

「そうか!瑞希をりるぞ!」


瑞希を連れ去っていった。


祐希ゆき

「これは、面倒なことになりそうですわ。あの、ボンボン…常識じょうしきがありませんわね。あのような人種じんしゅの方は大嫌だいきらいですわ。」


終始しゅうし笑顔はくずしていない。


みこと

「そうだね。このパーティーは、婚約者こんやくしゃを決めるものだからね。」

祐希ゆき

「あら、尊様はいいのですか?お姉様、取られてしまいますわよ?」


尊の顔が少しかげった。


ひじり

「まぁ、どうせ父さんたちが勝手に決めるし!決定権ないからさ!今日は、楽しも!」

祐希ゆき

「えぇ、そうね。」


パーティーが終わり数日後

西園寺さいおんじ本邸ほんてい、リュカの書斎しょさい


リュカ

「2人に来てもらったは、2人の婚約者が決まったから知らせようと思ってね。」

瑞希みき祐希ゆき

「はい。」

リュカ

財前ぜいぜん白夜びゃくやくんと碓氷うすいみことくんから来た。相手は…」


続く

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