いざ、あやかし退治

森野羊が語った内容はこうだ。



森野は現世に増えているあやかしを退治するためにあやかしの存在が目立つこの学校にやってきた。


そこで、この屋上にあやかしの気配を

感じ取り調べていたと。


そして、あやかしが動き出すのは明日の放課後だと考えたらしいが、思ったよりあやかしが動くのが早く、退治するのが追いつかなかったらしい。



全く信じ難い話だが、


実際、事実として起こってしまったのだから

仕方がない。



「そこでだ、今日のあやかし退治にキミに着いてきてもらいたいんだ。」


森野はいきなりそんなことを言いだした。


「はぁ?なんで俺が、俺戦いなんて、、。」



「私一人じゃ少し厳しいんだ。大丈夫、キミは何かあったら私がちゃんと守る。」


森野が、あんまりにも真っ直ぐ見つめてくるから


「あ、ああ。」


つい、そう答えてしまった。



「じゃあ、私と契約をしよう。」


「契約?」


「あぁ、私と協力関係になるという契約だ。」


「ああ、どーすんだよ。」


「キミはそこで目をつぶってじっとしていてくれ。」



俺が言われた通りにじっとしていると


何か唇に柔らかい感触を感じ

目を開けると。


俺と森野の距離はゼロになっていた。



「な、何してんだお前っ!!」


思わず、俺は森野の肩を押す。


「何って契約だが?」


契約ってキスだったのかよ、、、!!


聞いてねぇよそんなの!



「これで、私とキミは結ばれた。」


「はぁ?結ばれた!?」


「ああ、これでキミを守れる。」


「あぁ、そういうね。」


てっきり縁結びとかそんな感じかと、、。


焦りを隠して、俺は

森野に対して手を伸ばす。



「なんだ?」


「まだ、何するとか全然わかんねぇけど、でもこれからよろしくな森野。」


「?あぁ。」


キョトンとした顔を森野に俺は


「握手だよ、あ、く、しゅ!!」


森野の手を取って、俺は無理やり握手する。



「今のは握手と言うのか?」


不思議そうな顔をした森野に俺は


「そうだけど、、。」


と答えると森野は


「そうか、いいな握手って。」


と、初めて見る笑顔を浮かべた。

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森野羊は叶えたい。 小豆 @kragemonokuro

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