第6話 えちなこと、しよ。
ついに来ちまった。
佐々木を連れて、ここはホテルの部屋の中だ。
大人として?立場?
そんなもん、もう知らん!!
俺だって男だ!
あんな破壊力抜群の笑顔で、
「えちなこと、しよ。」
なんて言われたら、我慢出来るワケねえだろ!!
シャワーも入らず、
佐々木は、ベッドの上で俺を押し倒した。
1度、店でやる事やってしまったせいか、佐々木は容赦なかった。
細い指先で、ワンピースの前ボタンを一つずつ外していく。
ピンク色の下着と、ふっくらとした胸が露になった。
馬乗りにされると、佐々木のスタイルの良さが一望出来た。
今すぐにでも触りたくなるのを超えて、
俺は、うっとりと見惚れてしまった。
ピンサロのブラックライトの暗がりで見た時よりもずっと、佐々木は綺麗だった。
俺は、ドキドキしていた。
あの日、俺は佐々木をアイカちゃんと呼んでいた。
たしかに魅力は感じていたけど、恋はしてなかった。
・・・・・・あれ?
そーいや本当に好きな子とやるのなんていつぶりだ?
それに気付くと、俺は緊張してきた。
みるみる間に、息子が勃たなくなっていく。
あれ?!
ど、どうしよう・・・・・・?!?!
「ちょ、ちょと、待って!!!!」
佐々木の温かい口の中で、柔らかい舌先でいくら刺激されても、息子はくたりと萎んだままだった。
○
「ご、ごめん。がっかりしたよね」
落ち込み過ぎて、格好つける余裕もなくて、俺はしばらく口が効けなかった。
「いいえ、むしろ・・・・・・可愛い」
佐々木はなぜだか、頬を赤く染めていた。
「俺、なんつーか、普通に悔しいんだけど」
気まずさと情けなさで、俺は佐々木の目が見られなかった。
佐々木は、ぎゅっと俺の手を握った。
「ねぇ店長、頑張らなくていいんですよ?
店長の無理してるとこなんて、見たくないです」
「いや、無理だなんて・・・・・・。」
「これからずっと一緒にいるんです。
焦らずにいきましょ」
俺は耳を疑った。
「ずっと・・・・・・?」
「はい・・・・・・。
店長は、私と付き合います!」
うん?付き合って下さい。とかじゃなくて、既に断定なの?!
俺は唖然とした。
「そもそもお前、俺に幻滅してないの?」
当然、佐々木にガッカリされて、今日これっきりの関係になるかと思っていた。
「そんな事で、幻滅したりなんかしませんよ?
むしろピュアな所見れて、嬉しいってゆうか・・・・・・。」
佐々木は、とろんとした目で微笑んだ。
「えちな事は、ゆっくりでいいです。
でも、いずれ2人の仲が深まったら、
いっぱい・・・・・・したいな」
佐々木は上目遣いで、恥ずかしそうに言った。
「お、おう。当たり前だよ!」
そんなの、俺だってしたいに決まってるじゃねえか。
「ほんとに?
私、えちには興味津々なんで、店長が嫌になるくらい色んな事試しちゃうかも」
佐々木はイタズラっぽく舌を出した。
その夜は、2人で抱き合って眠った。
ずっと緊張していたのが嘘みたいに、安心して佐々木を抱き締めた。
出会った場所がどうであれ、
俺は今、素直に佐々木が好きだった。
翌朝。
「おはようございます・・・・・って、やばっ!
店長、チェックアウトの時間まであと10分ですよ?・・・・・・て、あれ?」
安心したせいか、俺の息子はすっかり元気になっていて、ギンギンに朝勃ちしていた。
佐々木は俺の耳元に顔を寄せ、猫なで声で囁いた。
「延長、お願いしてもいい?」
「えちなこと、しよ。」とグイグイ迫られても、大人は単純にはイケません。 満月mitsuki @miley0528
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