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黒板にチョークの当たる音が教室に響く。コトン、と先生はチョークを置いたかと思うとこちらに向き直った。
「杉野拓真だ、今日からお前らの担任になる…担当科目は~生物だ」
そう言って杉野先生は気だるげに自己紹介をした。
「好きな物は女と金と酒、趣味はパチンコ、まぁお前らが思ってる通りクズだからそこんとこよろしく」
唖然とする生徒達をよそに杉野先生はちらりと時計を見る。
「一時限目は~…自習か、それじゃ今から俺への質問募集するわ、何か聞きたい事あったりする?」
杉野先生の発言に一人の生徒が手を挙げる。
「お、なんだぁ?」
「あの、杉野先生って好きな人とかいるんですか?」
生徒の質問に対し、杉野先生はう〜んと唸った後ににやりと笑って
「さぁて、どうでしょう?」
と答えた。
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「色々すごい先生だね」
一時限目の授業が終わり、私はケイの呟きに頷いた。なんだかこう…色々素直な人だ。けれどあっけらかんとしていながらも生徒達の事はよく見ている…と思う。
私がなんて言葉を返そうか悩んでいるとシュウヤがおもむろに呟く。
「なぁんか面倒くさそうな先生だったな」
「しゅ、シュウヤ!」
流石にそれは失礼だと思いシュウヤの方を見ると、欠伸を噛み殺しながらだってと続ける。
「見た感じからなんか全部嘘っぽい、まぁ色々緩い先生だから俺は別にいいけどね」
シュウヤはんーっと伸びをすると二時限目の授業の準備を始めた。
「ケイはどう思ったの?」
たまらずにケイに聞くとケイは苦笑いしながら言った。
「まぁシュウヤの言いたいことも分からない訳じゃないよ…僕は今のところ気だるそうな先生だなぁって」
そしてケイもシュウヤと同じく二時限目の授業の準備を始めた。私はというと杉野先生の自称、クズに衝撃を受け、それが頭にこびり付いたまま二人と同じ様に授業の準備を始めた。
まるさんかくしかく ちまねちよ @tomorshyu
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