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「何の話してたの」
私が友達と話していたのを横目で見ていたシュウヤがそう尋ねてきた。
「いつもの、私がケイとシュウヤどっちと付き合うかって話」
「あぁ…それね」
シュウヤはすぐに理解すると深く椅子に腰掛ける。私とケイとシュウヤ、三人が幼なじみで私一人だけ女の子という理由で周りからリノはどっちと付き合うのか、とちょっとだけ話題になった事がある。今でもその名残りはあるものの一年生の時はよく聞かれたものだ。
「二人とも、そろそろチャイム鳴るよ」
ケイがそう言うと同時にチャイムが鳴る。するとガラガラ、と教室の扉が開いた。
「おはよぉーう皆、二年生になったばかりで遅刻無しとは偉い偉い…じゃあ早速出席とっていくぞ~」
気だるそうな男性教師が入ってきたかと思うとそう言って出席をとり始めた。
「まずは~……」
次々とクラスメイトが呼ばれる。
「桜リノ」
「はい!」
私の番がきて素直に返事をすると先生はおーいい返事、と笑って次の生徒の名前を呼ぶ。
「椿ケイ」
「はい」
先生に呼ばれたケイは凛とした声で返事をした。気のせいか周りの女の子達がちらちらとケイを見ている。
そして他のクラスメイトが名前を呼ばれていく。
「じゃあ…最後、柊シュウヤ」
「…はーい」
シュウヤは名前を呼ばれ軽く返事をする。すると先生は頭をガリガリと掻くとこれまた気だるげな声で言った。
「はぁ~柊で最後…でいいよな?よし、じゃあ次は~俺の説明?」
そうニヤッと笑ったかと思うと黒板に文字を書き始めた。
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