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学校に着き、自分の教室に入る。私もケイもシュウヤも同じクラスで私を挟んでケイとシュウヤが座る。ここまでくると運命を感じるがそもそも私みたいな一般人が有名企業の息子二人の幼なじみな時点で奇跡なのだ。

「あ!りのちゃんおはようー!」

教科書を机にいれてると友達が話しかけて来た。

「うん、おはよう!」

私が笑顔で返すと友達はこそっと耳打ちした。

「……それで?そろそろどっちかを好きになった?」

友達からの相変わらずな質問に苦笑する。

「だからなってないって!その話いつまでするつもり?」

「う〜ん、りのちゃんが誰かと付き合うまで、かな、だってあの二人学校で凄く人気者だし何度も告白されてるのに絶対に答えないんだよ!」

先ほどから友達の言っている"二人"とは私の幼なじみであるケイとシュウヤである。二人はこの学校のツートップで人気者だ。私も二人が告白されているところを何度か見たことがある。ますます私の幼なじみは凄いと感じざるをえない。

「あの二人とは幼なじみだけどそれ以上の関係はないよ。私はあくまでケイとシュウヤの幼なじみだよ」

二人には感謝しているのだ、もともと友達が少ない私に優しく話しかけてくれて今、私が人気者の二人の側にいてもいじめられないのは二人が学校に根回しをしてくれているからである。さすがお金持ち。

「そっか〜…でも何かあったらいつでも私に頼ってね!もちろん、幼なじみ二人にも!」

友達の優しい言葉に励まされながら授業開始の合図であるチャイムを待った。

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