第7話
コプトは国全体が砂地で覆われた国であった。一見すると農作物を育てることなどできず、人が生きていくのには不向きな土地に思えるが、国の中央南北に大きな河川が流れており、民草の暮らしを支えていた。
街の近くには正方形の石材を正確に積み上げて造られた三角形の巨大な建物があった。地元の者に聞くと昔の王の墓だと言う。どのくらい昔の王かと尋ねるとそれは解らないと答えた。
武唐の国から来た青年は非常に頭がよかったので戦の続くフェルムスの国に直接上陸することなく海岸近くで商品を積み替えて取引を行うという、背取りと呼ばれる商売を行った。
フェルムスの国々には冒険者と呼ばれるならず者達が大勢いて、奪い、殺して、犯し、欲望のままに生きていた。
しかし彼らは皆一様にして何故かノーフォーク法を知っていても寒冷帯に属するフェルムスの大地でルイセンコ農法を実施しようとする者達ばかりであった。その為、冒険者に占領された土地の農民達はどれも恐ろしい飢饉に見舞われた。此なら既存の領主の方がまだマシだった。
そういう者達ばかりであるから海の上で商売をする青年を邪魔するものなど現れるはずもなかった。
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