第5話

 八百屋には玉葱、胡瓜、ニンジン、インゲンマメなど豊富な野菜が並ぶ。絨毯やカーテン、毛布などを売る店もある。

 狩猟犬、ヒョウ、ライオンなどが檻に入れられている。素人目にもかなり狂暴そうな肉食獣だとわかる。食用として食べるのか聞くと、有力な国王、貴族がペットとして飼って自慢するのだという。

 武唐の商品もあった。しかし陶磁器はともかく竹で造った傘が結構な値段で取引されているのは正直驚く。もしかして武唐以外の国には竹が。いや傘がないのかもしれない。

 港から陸揚げされた象牙、サイの角、亀の甲羅などは別の港から運ばれてきた香辛料、砂糖、染料などと交換され、再び港から出ていく。

 ネディートはそんな港であった。

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