第108話 新学期(二年生)⑧

 去年同様、担任が点呼を終えると、クラスメイト達はバラバラに散っていった。

 俺たちは四人で城跡の二の丸に行くことにした。

 ここの城跡は一の丸、二の丸、三の丸と分かれている。三の丸は頂上。二の丸は中間地点だ。

 

「結構人がいるねー」

「そうだな」

「どうしよっか? 頂上に行く?」

「行かない」

「だと思った。じゃあ、空いてるところを探そっか」


 ということで、俺たちは空いている場所を探がした。

 結構生徒がいたが空いているところはあったので、そこにレジャーシートを敷いて四人でそこに座った。


「ここでも十分、桜綺麗だね」

「そうだな。本当に綺麗だ」


 俺たちが二人の世界に入ってると、いつものごとく英彦が横やりを入れてくる。


「お二人さん。俺たちもいることを忘れるなよ」

「あ、ごめんね」

「まぁ、いつものことだからいいんだけどな。なぁ、アリス」

「そうね。私たちも二人の世界に入っちゃう?」

「いいな。それ!」

 

 英彦と平子さんも二人だけの世界に入っていた。


「お前らも二人の世界に入ってるだろ」

「蒼月たちよりは場をわきまえてるつもりだけど?」


 英彦が右の口角を上げて笑った。

 

「その顔むかつくからやめろ」

「はいはい。そんなことよりお昼にしないか?」

「そうね。お昼ご飯にしましょう」

「蒼月君、はい、お弁当」

「ん、ありがとう」

「お、愛妻弁当か?」


 英彦がさっきと同じ顔をして俺のことを見ていたので、俺は英彦にデコピンを食らわせてやった。

 英彦は痛がるフリをしていたがほっといて、俺は琴美から受け取った弁当の蓋を開けた。中身を見る限りいつも以上に気合が入っているようだ。


「気合入ってるな」

「分かる?」

「ああ」

「楽しみだったから、少し気合入れちゃった!」

「そっか」


 俺はハンバーグに箸を入れて一口食べた。ハンバーグは昨日の残り物だ。二日目でも美味しい琴美のハンバーグ。照り焼きで作られたハンバーグはしっかりと味が染み込んでいた。


「美味しいな」

「よかった!」

 

 俺がそう言って琴美は満足すると、自分も弁当を食べ始めた。

 結局、俺たちはまた二人の世界に入るのである。が、英彦と平子さんも二人の世界に入っているようなので気にしないことにした。






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【感謝!!9万PV突破〜✨ 二年生編スタート】クラスメイトに超絶美少女がいるのだが、なぜか俺のことを餌付けしようとしてくる(仮) 夜空 星龍 @kugaryuu

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