第60話 七不思議を確認してみた

「人体模型は普通だね」


 ボクは仕事も無い日なので放課後七不思議を確認してみることにした。


「そ、そうですわね~」

「ほ、ほらやっぱり生きてないだろ!」

「そうですよね!やはり非科学的なことなんて無いのです!」

「全部確認する必要はないよね?ね?止めない?止めよ?」


 一応付いてきてくれるみんな。無理しなくていいのに・・・


「変だと思ったら止めるよ、ボク直感は鋭い方だから!」


 危険があれば未来予知さんが教えてくれるから大丈夫!





「コンコンコンコン、花太郎くんあそびましょ?・・・反応ないね、居ないみたい」


「は、早くトイレから出たいですわ~ここ男子トイレですのよ~?」

「おれは先に出とくぜ!」

「トウジ!僕も行くからな!」

「ひえっ!・・・水の落ちる音か・・・」





「二宮金次郎像は・・・まぁ居ないよね」


「ですわね~」

「ニノミヤキンジローゾーってなんだ?」

「働きながら勉強をしていた有名な人ですよ」

「像なら物理的存在だし魔法でやれるな・・・」





「体育館とプールは夜限定みたいだから見なくていいかな?」


「ですわ~!!」

「夜の学園とか無理だからな!!」

「も、門限があるので残念ですが夜までお付き合いできませんね!!」

「見なくていい!!むしろ全部見なくていい!!!」





「ベートーベン・・・よく見ると上目遣いだから、上の方に飾ってあるから睨まれている感は無いかも」


「あ、今目があったような気がしますわ~気のせいですわよね~?」

「おい!今こっち見て無かったか?!」

「そ、そんなわけないでしょう?!ひょわぁ!!!見てるぅ!!!」

「俺は見ないぞ!どうせ動くんだろ?!見なければ怖くないもんね!!」





「最後は旧校舎の開かずの教室だね。旧校舎自体あるのか疑問なんだけど」


「校舎裏の森はありますわよ~」

「おれ、前にこの森で遊んだことあるけど建物なんて無かったぞ?」

「僕も先生に聞きましたが、旧校舎はとっくの昔に取り壊し済みだそうです」

「じゃあ無いってことで!はいおしまい!帰ろう!!」


 みんなが怖がったものの、特に何事もなく終わろうとした時、妙な気配を感じてその方向を見てみると、先ほどまでなかったはずの建物が森の奥に見えた。


「あれ、急に現れたね」


「ユリちゃん~!ダメですわ~!ダメな怪談のパターンですわ~!!!」

「か、帰ろう!超怖えぇ!!!」

「ももも、門限のじじじ、時間なのでで!!」

「ひゅっ・・・(公太郎は気絶した)」


 謎の建物は青白いもやもやを纏っている。

もしかしてあれが霊力かな?以前ボクの中にある複数のもやもやを出してみた時あの色もあった気がする。

確かこれだったかな?


「あっ出し過ぎた・・・」


 ちょっと出力を間違えたらしく、この学園を全て覆うほどの霊力(仮)を放出してしまった。

するとあの謎の建物がボクの霊力に粉砕されて跡形もなく消し飛んでしまった。

しまったな、あれが何なのか調べる前に消滅させてしまった。


 霊力っぽいもやもやはやたら軽いので、ほんの少しの力加減の間違えで想定の100倍くらい簡単に出てしまうらしい。

霊力の総量自体が多すぎるのかもしれない・・・


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何も無かったボクが反転してやり直す事になりました。 れぷ @redpurain

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