フリーワールドオンライン

小鳥遊 恢斗

第1話

「あんなに勧められたら断れないよね」


 そう言って私はギアにゲームソフトを入れ、起動させる。

 視界が輝き出し、タイトルとOPが流れる。

 視界の右端には、ダウンロード完了まで5分と書かれていた。


 ダウンロードが終わるとまた視界が白くなる

 

視界が開ける、暗く何も無い空間。目の前には美しい白い翼を持つ綺麗な女性が笑顔でこちらを見ている。


「ようこそフリーワールドオンラインへ。まず最初に名前をお聞かせ頂けますか?」


そういうと私の目の前に名前を入力してくださいと言うウィンドウが表示される。


私は『アリス』と入力した。いつも使っているネットネームだ。


「ありがとうございます。私はキャラメイクとヘルプ担当のアルデナです。」


そう言ってアルデナは浅く頭を下げる。


「次にプレイヤー……あなたの見た目についてなんですが、スキャンした現実の姿を元にいじれますがどうしますか?」


横に手をかざした所に現実の姿の私が現れる


「すごいホントに私そのままだ、ちょっと美化されてるけど」


流石に現実そのままはいけないのか、ちょっと修正されている。ここからいじる……てなると

うーん、めんどくさいし髪色と目の色とかだけでいいかな。あ、後胸も小さくしとこ


髪色はちょっと薄いエメラルドグリーンに目はちょっと明るめの蒼翠色にした。ゲームする時大抵このような色でキャラクリをしている、今回も同じようにした。


「ありがとうございます。次は初期装備を選択してください」


ウィンドウには沢山の武器の名前と性能とちょっとした説明が表示される。武器とかの名前は漢字表記になっていて読めないやつが多い。


スクロールしながら初期装備を眺めていく。武器も沢山種類があるが防具の見た目も多い、全て見ることは難しいぐらいある。今装備されてるのは防具、防具と言うよりかは服に近い、ていうか服だ。アルデナが言うには、最初はみんな好きな服装の方が萌えるかなと思い、運営がこんなに種類を作ったらしい。まぁ服装は後ででいいか先に武器を選ぼう。


武器のウィンドウに戻し下にゆっくりスクロールしていく。そこにひとつ気になるものを見つけた。


自在槍……?これは初めて見る、見た目はナックルにナイフを付けたような見た目で説明には、

強固なワイヤーの穂先にある刃を自在に操り攻撃する。フックショットみたいな扱いもできる。と書いてある。ひとつはこれでいいか、もうひとつは無難に片手剣にしようかな、後で自由に変えれるみたいだし。


「自在槍と片手剣ですか珍しい組み合わせですね」


普通なら片手剣と盾を選ぶんだろうが、正直このゲームではあまり初期武器選びは重要じゃない。このゲームは職業が無く初期武器で選んだ武器した装備出来ないと言うのもない。自由に変えれる事が出来る。

初心者の武器に関しては選んだ装備以外は街のショップとかで手頃な値段で売っていて合わなかったらそこでまた買えばいい。


「面白そうですしね。あ、服の色を変えることは出来ますか?」


初期防具……まぁ服だ、第一層は草原フィールドになっているらしく、出来ればそこに擬態したい。だから服の色も緑かちょっと明るめの緑にしたい。


「出来ますよ、何色にしますか?」


良かった、これで少しは狩りしやすくなるのかな?なんかモンスターも思考があってリアルすぎてキモイと攻略記事に書いてたし、擬態出来れば気付かれずに倒せるはず!まぁ初手はもう考えてあるからあまり関係ないんだけどね。


服に関しては色んな種類がある。運営はオシャレも楽しんで欲しいのだろうが残念ながらわたしは全く興味ない。ので今来てるシンプルな服装に色を変えただけというしかも全部緑だ、ちょっと明るめだが。アルデナに一層の草原と同じ色にしてくれて頼んだら出来たので細かい設定をせずに済んだ。


「次はユニークスキルについて説明します

「各プレイヤーにはひとつユニークスキルが与えられます。これはそのプレイヤーにしかない特別なスキルです。あなたの思考やリアルの行いや身体能力で私が作成します。その際あなたの記憶を見る事になるのですが、安心してください記憶は私しか見れません。運営の人達には見られませんので安心してください。」


「なにかユニークスキルについて質問ありますか?」


「いえ……ないです」


長々説明されてほとんど頭に入ってないが、何となくわかった。とりあえず1つスキルが手に入るということだ。

 これで私がやりたいことのうちひとつが消えたわけで……ユニークスキルがそのカウントに入らないことを祈ろう。

 

「分かりました。他になにか質問とかはありますか?」

 

「PKはあるのでしょうか?」


PK……プレイヤーキル、よく聞くのではアイテムが奪えたりお金、経験値が多く貰えるみたいなのが多いのだがPKが禁止のゲームもあったりするらしいので一様確認しておきたかった。


「はい出来ますよ。キルした相手のアイテムボックスからランダムにひとつと相手の所持ゴールドの半分貰えます」


「ありがとうございます。今はこれ以上は思いつきません」


「ではこの扉を開けてください、その先に始まりの街があります」


そういうと目の前に3mぐらいの扉が現れた。


「後でなにか質問が出来たら教会に行って祈りを捧げて下さい、そうすると意識だけがここに連れてこられます」


わかりました、何かあれば教会に行きますと伝えて扉を開ける。すると視界が白く染まり目を開けると、そこには街の広場があった。

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