第26話 動物愛護法違反

 また、私は再び大阪合気会で合気道の稽古を始めた。ところで、甲田医師の著書の中に無農薬野菜という言葉が出てくる。そして、有機農業について知ることにもなった。全国愛農会という有機農家の集まりがあり、有機農家へ援農に行けることも知った。


 最初は、大阪府岸和田市にある有機農家へ、タマネギの収穫のお手伝いに行った。当時、お手伝いの謝礼として野菜と交通費をもらった。


 やはり、腰の問題があり、前かがみになり胃が圧迫されて苦しいという辛さはあったが、久しぶりに働いたので爽快感はあった。そして、今度は、同じ岸和田にある別の有機農家の援農に行った。


 その農家のおじさんと話しているうちに、「カックンも有機農業やったら?」ということになり、一年ほど週末に研修に行くことも決まった。おじさんの農地は、完ぺきであった。住宅街の中にあったが、日当たりが良く、ハウスもあり、水もポンプで地下水をくみ上げていた。


 また、おじさんは、お父さんが亡くなった時に相続した土地にマンションを建てて賃貸の収入があった。そして、おじさんは臨床心理士でもあった。彼の農家としての収入は、年間約300万円でありそれゆえに「有機農業だけでは、食えない。副業が絶対にいる」と口を酸っぱくして言われていた。


 副業については、いろいろ調べてみて、おじさんに、これはどうか、あれはどうかと聞いていたが、どれもこれも、ダメだねと言われていた。しかし、当時出てきたブログから得られるアフェリエイトの収入を目指して、私は文章を書き始めていた。


 また、農業は体力だから体を鍛えておこうと思った私は、合気道は止めてウィークデイにジムに通うようになった。そして、無茶苦茶、体を鍛え始めた。SNSで知り合った元陸上自衛隊のボディ・ビルダーの方からの影響も受けている。


 夏に愛農の合宿が三重県であり、出かけて行って交流会で知った小山さんが、自然農法で野菜をつくっているというので興味があり、大阪に戻り、再び会いに行った。すると、彼は自然農法をしておらず、慣行農業の肥料をお茶の木にやるという下働きをやっていた。


 しかし、金をやるから数日アルバイトをしないかと言われ、働くことにした。初夜、彼は元アルコール中毒の左翼の中核派であると言った。まあ、自然農法をやっていると嘘をついて、慣行農法のバイトをさせると言っても働いているのだから、それはそれで良いのではないかと思ったのだが、とんでもない事が起きていた。


 コイツは、もともと養鶏もやっていたのだが、番犬を飼っていた。しかし、どうも養鶏がうまく行かず、番犬だけが残ってしまったようだ。そして、その老いた番犬を雨ざらしの檻の中に短いひもでつなぎ、なおかつ、近所の弁当屋で売り切れになった、カビの生えた飯を与えるという、とんでもない動物虐待を行っていたのである。


 それを見た私は、コイツに「せめて散歩ぐらいは連れて行っては、どうですか?」と言うと、事もあろうか、「もう、この犬は用済みだ」と言った。私は、その晩、もう大阪に帰らせてもらうと言って朝の電車で家に戻り、ネットで確かNPOのアニマル・ライツ・センターのホームページだったと思うが、動物虐待を発見した場合どう対処するかを調べて、監督官庁の三重県に指導を依頼した。


 現地に行った三重県の役人に対し、彼は「じゃあ、お前らが処分しろ」と言った。しかし、役人は、家族の同意がないと処分できないと教えて、また、飼い方について指導してきた。奈良県の月ヶ瀬村だか山添村に住む小山!お前の事だ!!今から、自然農法に興味のある方は、注意をして頂きたい。

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