九 舌打
「だ、大丈夫?」
だがヒメコが駆けよる前に五郎は茂みから飛び出すと、掴んでいたのだろう細い枝葉を投げ捨て、先にヒメコが落とした棒を手に走り出した。向かう先は少年。
「えぇぇぇぇい!」
気合いの入った声と共に振りかぶられる棒きれ。
対して、少年はすっと重心を下げると大木の陰へと逃げた。五郎はそれを追って棒きれの先端を回転させて突き上げるように大木の陰の少年を狙う。
ガン
少し鈍い音と共に棒が弾け飛んだ。
チッ
舌打ちの音。
五郎が大木のこちら側を駆けて向こうにいるだろう少年を追うのが見える。
もしや、あの少年は盗人?
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