贖罪の屍者

作者 御陵

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★★★ Excellent!!!

【物語は】
ある男が、自分の姿を鏡で確認するところから始まる。鏡に映し出されたのは、目を背けたくなるような自分の姿。それでも男は自分の姿を確認し、自分の現状を知る。その後現れた女により説明を受け、納得がいかないままではあるが、彼女の言う”贖罪の旅”の第一歩ともいうべきなのか。
彼女の待つ場所へと向かうこととなる。見覚えのある様な気のする、ブローチを思わせる留め具を胸に。果たして彼は、無事に指定の場所へたどり着けるのだろうか。

【主人公とその行く手】
早々に、冒険者から追われることとなる主人公。屍に追われるという映画は数あるが、屍が人間に追われる視点で描かれる物語は、とても斬新だと感じる。その理由は、屍に心がないというイメージによるものなのかも知れない。

彼は何度も危険に遭遇しながらも運が良いのか、自分を隠す手段を見つける。とてもハラハラする展開である。

主人公は、自分が屍になる以前のことは全く覚えていなかった。(本体は別にあり、魂だけをこの屍に移されたという事のようだ)
指定された場所が分からぬまま、自分を追っていた冒険者が話していたことを元に、一番近い街へと向かう。その途中では襲われることとなるが、それは彼にとってターニングポイントだったのかも知れない。最初に目指した街でも、冷や冷やさせられるが、彼はどうやらとことん運がいいらしい。
ここでの出会いが、彼に幸運をもたらすのだろうか?

【世界観・舞台の魅力】
この物語は、ある女に魂を屍に押し込められ、贖罪の旅をしろと指示され展開されていく。この世界では、2種類の屍がいる様だ。それは屍者、屍師であり総称を不死者という。(詳しくは本編参照)彼はどちらかに属するが、その中でも特別であるらしい。詳しいことは物語の中で、分かって来る。

重要なのは、動く屍がその辺にいる世界であり、それを狩る冒険者がこれまた沢山いるという事だ… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

目が覚めたら死骸となっていたなんて、最初から終わりと思わせてしまうような、予測不能のスタートは見事です。
細かい設定まで繊細な描写で書かれており、物語をより一層引き立てていました。
何より、登場人物達に無駄がないです。
重要だとか、脇役だとかはあれと、全員が存在しなかったら、この物語はここまで重厚にできていなかったでしょう。