妃家の首飾り 最終章 シーズン2 異国編

これまでの登場人物とあらすじ

シーズン2・異国編 最終章 これまでの登場人物とあらすじ


【これまでの登場人物】


《緑の国》


ミレーネ姫 ー 緑の国のプリンセス。首飾りの石とミリアム王子の奇跡の力によって目の光を取り戻す。また、視覚以外の感覚と記憶力にも優れている。20歳。


ミリアム王子 ー 緑の国のプリンス。趣味は昆虫採集とボードゲーム。6歳。


エトランディ王 ー 緑の国の王。母を早くに亡くしたミレーネとミリアムに深い愛情を注ぐ。


ジュリアス ー ミレーネ姫の母方の従兄弟。ミレーネ姫の家庭教師。勉学に秀でていたが、武官の道を選んだ。23歳。


ポリー ー ミレーネ姫の母方の従姉妹。ジュリアスの妹。ミレーネ姫の話し相手であり、またミリアム王子の遊び相手でもある。武術のセンスあり。18歳。


マリオ ー ジュリアスの友人。絵画の才能あり。城下町で、昼は茶類、夜は酒類を提供し、店の一部で画材や自分の絵も売るギャラリーを営む。その才能が徒となり、剣士ケインに殺害された。


セナ ー マリオの妹。城下町で、父の鍛錬修行所を手伝っている。武術の師範。



民政大臣 ー 民からの陳情処理など国内の治安を担当する。ジュリアスとポリーの父。17年前、家族として育てていたカノンが行方不明になった過去を持つ。


ナタリー ー ジュリアスとポリーの母。亡き王妃ロザリーの姉。7歳になる末っ子アンの面倒を見ながら、マリオの店の隣りで雑貨店を始める。17年前、家族として育てていたカノンが行方不明になっていたことに長く心を痛めていた。家族それぞれが持っている、もともと一つの首飾りについていた家宝の石が近づき青く光ったことで、剣士ケインがカノンと気づくが、マリオを殺める場面を見て心神喪失に陥ってしまう。


アン ― 民政大臣とナタリーの末娘。7歳。


ステラ ― 民政大臣の家の住み込みの女中。


外事大臣 ー 外交・軍事を担当する。約30年前、ナタリーに熱い思いを抱いていたが、拒否され、地主の娘と結婚。アリとロラの父。


アリ ー 武官見習い。ジュリアスと元・学友。外事大臣の息子で、ロラという妹がいる。ノエルを脅し辱めを与えたため、武官から武官見習いに降格された。


ノエル ー ミレーネ姫付きの女官だったが、罪人アイラの妹という身元を隠していたので謹慎処分となった。近衛副隊長ウォーレスに同行して白の国へ行く。21歳。


マーシー ー 新入り夏組・厨房班所属。以前に厨房班にいたエレナの娘。18歳。


サアムおじさん ー 城の畑の管理人。


ウォーレス ー 近衛副隊長。弓の名手。罪人アイラの元・恋人。アイラの妹ノエルを助けるために、アイラとの関係を明らかにしたので、謹慎となる。その間にノエルを連れ、白の国へ行く。


ボリス ― 元・従者。タティアナとアイラの事件があってすぐに城の仕事を辞め、姿を消した。アイラと噂があった。(あくまで噂であるが。)


ジェイン ー 女官長。


コットンキャンディー ー 女官タティアナが飼っていたオリーブ色の小鳥。人間の言葉を理解する。タティアナの処刑が決まった後、ミレーネ姫が、城の森の奥にある神秘の木にコットンキャンディーを隠して、今も守り続けている。コットンキャンディーの巣には、ミレーネ姫が服薬したと見せかけ飲まなかった、薬師ゴーシャ魔王グレラントの薬を預けてある。



《白の国》


サイモン ー 白の国の王子。絵画や芸術に強い関心がある。緑の国へ遊学に来て、ミレーネ姫と恋に落ちる。女王危篤との知らせが届き、急遽、国へ呼び戻される。24歳。


レックス ー サイモン王子付きの従者。ミリアム王子を守るために剣士ケインに刺された。


ケイン ー 魔王グレラントの手下。幻の五蛇いじゃ剣法の使い手。拾われたため、本人自身、年齢が分かっていない。(実年齢は19歳。) 2歳前後の頃、民政大臣とナタリーの家でカノンとして育てられていたらしい。6年前、王妃を殺害した後、白杖の女の子に化けて城下町を脱出。再び、サイモン王子の護衛剣士として緑の国へ入り込み、まず秘密に気づいたマリオを殺害。次にレックスを刺し、首飾りを奪って逃げたが、近衛副隊長ウォーレスの矢によって右腕と胸に怪我を負ったまま、崖の下に消えた。


ゴーシャ ー 白の国のお抱え薬師。おどろおどろしい風貌の老人。その正体は魔王グレラント。


白の国の女王 ー サイモン王子の祖母。白の国の第一玉座についている。高齢ながら、息子である王が不甲斐ないため、白の国の行く末をいつも案じていた。魔王グレラントの陰謀に気づき、命がけの策略で対抗しようとする。


白の国の王 ー サイモン王子の父。白の国の女王に継ぐ玉座に座る立場だが、美酒美食に目がなく、政治に無関心。魔王グレラントの言うなりである。


コウモリ ― 白の国の女王の隠密。


クレア ー 白の国の名家ヨーム公の娘。24歳。過去にサイモン王子の子どもを極秘で産むが、その子はすぐに亡くなる。今回、その子の身代わりにヨハンを立てる女王の策に乗じる。


タティアナ ― 元・緑の国の女官。偽名を使い、白の国に隠れ住んでいたが、女王の策略に巻き込まれる。


アイラ ー 元・緑の国の女官。偽名を使い、タティアナの娘の役目をし、白の国に隠れ住んでいたが、女王の策略に巻き込まれ、息子ヨハンを王家に奪われる。


ヨハン ー アイラと近衛副隊長ウォーレスの息子。絵を描くのが好き。サイモン王子とクレアの息子が生きていたかのように偽装され、身代わりの役にさせられてしまう。5歳。



【物語の要となる心の声】

 

「人生には、ほんの一瞬、悪魔のたわむれが、ふいに忍び寄る時がある。あの日もそうだった。逃れようにも逃れられない、取り返しのつかない一瞬。神はなぜ、これほどまでに重い定めを人間ひとに与えてしまうのか。あの日から幾度となく自問を繰り返してきたが、答えはまだ、見つからない。」


 ーの心の声ー



【物語の重要な物品】


《女官タティアナが残した手紙》


『蘭の花のすぐそばに、ハチ(8)の石を隠し置き、クローバーと一緒に、北東の部屋の出窓で育てなさい。気をつけて。足らねば与えられる。やり過ぎては枯れる。ネツケバ(寝つけば)繁る。無償の愛と祈りで満ちる。城外の名もなき花々を忘れずに。』


※( )内は作者によるヒントである。



【これまでのあらすじ (プレシーズンとシーズン1)】


 14歳の誕生日に、得体の知れぬ“影”の手による陰謀に巻き込まれ、母である妃ロザリーを亡くし、自分は失明してしまったミレーネ姫。

 失意の最中、亡き母から譲り受けていた首飾りのヘッド(緻密に細工がほどこされている石)の不思議な力に気付く。

 

 多くの謎を残したまま、6年の月日が流れ、20歳になった姫の前に、隣国白の国からサイモン王子と薬師ゴーシャが従者レックスと護衛剣士ケインを連れてやって来る。薬師ゴーシャは表向きには姫の目を治す目的での訪問だが、その正体は灰の国、白の国を踏み台にして緑の国の乗っ取りをたくらむ魔王グレラント。鍵となる首飾りの略奪も密かに目論んでいる。実は6年前の事件もこの魔王の仕業であった。


 首飾りの不思議な力に守られ、魔王の陰謀をかわし続けるミレーネ姫と従兄妹ジュリアスそしてポリ―達。また、事件が重なる中で、偶然、ミリアム王子が首飾りの石を使って病を治癒できる奇跡の力を持っていることに気づいたミレーネ姫。

 薬師に頼らず目に光を取り戻すことが出来たが、まだ小さいミリアムを案じ、この秘密は自分だけの心にしまっていた。


 しかし、そのミリアム王子に薬師の魔の手が迫り、ミリアムは悪夢による遠隔操作の餌食に。後を剣士ケインにまかせ、薬師である魔王グレラントは一足先に白の国へ戻って行った。


 白の国では、女王が魔王の恐ろしい企みに気づき、白の国を守るため、命がけの策略を始め、サイモン王子を国へ呼び戻そうとする。その策略に、無実の罪をかぶせられたまま、緑の国から白の国へ逃げ延び、名前を変え、ひっそり隠れて生きていたタティアナとアイラ、そしてその子どもヨハンが巻き込まれてしまう。


 サイモン王子とミレーネ姫は、そのような切羽詰まった状況には全く気付かず、静かに二人の愛を育んでいった。しかし、その幸せも長くは続かなかった。


 ジュリアスの友人で画廊を経営するマリオは、剣士ケインと6年前の事件の真犯人と目される白杖の女の子が同一人物であることを気づいたため、口封じにケインによって殺される。

 

 そして、ついにミリアムを使って首飾りの略奪に成功しかけた魔王の手下である剣士ケインは、阻止しようとした従者レックスを刺し、王子二人と姫を人質にとり立てこもる。首飾りと姫を盾に逃げようと試みるケインだが、姫を殺害しようとした最後の一瞬に、ポリー達の母であるナタリーの声と笑顔が甦り、殺害は思いとどまる。実は、ケインはまだ2歳前後の頃、ナタリーの家族として育てられていたことがあったのだ。記憶を失っているケインは混乱しながら逃げるが、ついに追い詰められ、近衛副隊長ウォーレスの放った矢がささったまま、崖から転落する。


 謎を残したまま、一連の事件は終わった。サイモン王子は魔王やケインの陰謀と無関係なことが分かり、祖母である女王危篤の知らせを受け、急ぎ白の国へ帰って行った。恋心を抱いたまま、サイモン王子と離れ離れになったミレーネ姫。

 

 そして、失意の姫をさらに悩ませているのは、首飾りの行方と、これまで姫を守ってきた首飾りの石が、剣士ケインに奪われた後、剣士ケインを守るように強く光った事実である。なぜ、首飾りの石はケインを受け入れたのか……。


 その答えはいよいよ最終章、シーズン2・異国編で!



作者注:ここから初めて読まれる方、お寄り頂き有難うございます。このあらすじから、かなり流れはお分かり頂けたかも知れませんが、よりシーズン2を楽しんで頂くために、シーズン1のエピローグ「遠く離れて」だけでもお読み頂くと、いっそう物語の世界に入りやすいと思われます。宜しければ、どうぞそちらも併せてお読み下さいね!


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