夢日記

@weirdo

2021/1/3

誰かから伝聞を聞いている。その内容は、テレビに映像を見るようにはっきりと伝わった。

さびれた倉庫が三つほど、その高さの1/10から1/20ほどまで海水に浸かっている。倉庫は家にあるような小さなものじゃなくて、港にあるような大きなものだが、その数倍は大きいものだった。普通の平たい三角屋根のものもあれば、円柱形のものもあった。そして、オレンジや赤色の、所有していた会社を表した文字やマークが、経年劣化ではがれている。空は快晴。

倉庫郡のまわりにはなにもない。見渡すばかりの広い海の中、きめ細かく濡れた砂の上に、倉庫が建っている。解説によると、海流の関係でそこには砂がたまりやすい場所らしい。簡易的な地図を用いて分かりやすく教えてくれた。

その倉庫のなかに入る。そこは廊下になっていて、床や壁はベージュで、白い天井には直管蛍光灯が弱々しく光っている。いくつかは切れている。少し記憶が曖昧で、廊下の大きさや長さは覚えていない。

確か、その後に黒くすすけた階段を上ったと思う。階段を上がって、すぐ右側の部屋が大食堂になっていたと思った。この部屋も荒れている。どのように荒れていたかは覚えていない。

食堂を出て階段を上がる。その階段は踊り場がひとつだけあるような、よくあるタイプの折り返し階段で、青い手すりに、床や壁はベージュだった。蛍光灯はひとつしかついてなくて暗い。床や壁は埃でよごれているが、手すりだけはきれいだった。階段を登り終えると廊下に出た。右に曲がって歩くと、青い扉が左手にあった。その扉は身長より少し高い程度で金属製、小学校にある防火扉のような頑丈さがある。青い塗装は劣化していて、ガードレールにように白い粉をふいているが、錆は見当たらなかった。扉を開けると、似たような階段が現れ、またのぼる。

階段を登った先に、また似たような金属扉があった。色は赤色だったが、さっきの扉と同じように劣化していて、薄い色になっていた。赤と言うより、ピンク色と言った方が近い。

とびらを開けると、また廊下があった。赤い金属扉は廊下の一番端にあるようだ。しかし、そこはさっきよりも狭く暗かった。蛍光灯は一つもついていない。しかし、その割に、行動でき程度には明るかった。窓は見当たらないが、どこからか外の眩しいばかりの月明かりが入ってきているらしい。

扉を出て右側、廊下の中頃、左手にベージュの金属扉がある。こちらも今までの扉と似たようなもにだが、今までとは違って塗装があたらしい。手触りがよくつるつるしている。扉を開けるとそこはモニター室だった。10畳ほどの大きさ。古めかしく小型のブラウン管ディスプレイが縦横に20台ほど並んでいて、部屋や廊下の様子が写っている。相当古いものらしく、1/5は何も写っておらず、3/5は映像が一部欠損したり乱れている。きちんと表示されているのは残りの1/5だけだった。部屋の床はカーペットタイル敷で、全体的に明るく清潔だった。この部屋だけは人の手によって整備されているらしい。

部屋には二人の中年男があぐらを組んで座っている。一人は自分に対し背を向け、一人は私の右側を向いている。薄い緑色の服(賭博破壊録カイジで地下労働者が着ていたもの)を着ていた。彼らには一切の覇気がなく、私に対し何かを言っている。はっきりと理解することはできなかったが、どうやら彼らはこのモニター室に監禁されているらしいことは解った。

男が帰ってきた。30代半ばのように見えて、太っているが、顔は小さい。ワークマンで売っているような黒いTシャツと黒い作業ズボンを着ていた。この男によって監禁が行われていたのは明らかだった。

逃げ出さなければ自分も監禁されると思った。そこで、「警察だ!」と言って男を油断させて逃げ出そうとした。

男は一瞬固まったが、自分がジーパンと赤いチェックのシャツを着ている違和感にすぐ気づいて追いかけてきた。

モニター室を出てすぐ、赤い扉の手前で男に捕まってしまった。監禁されている男も協力して、自分をモニター室に引きずり込もうとしてくる。

このままではマズイと思ったら、モニター室にいた。どうやら、時間が戻ったらしい。

また同じような展開になり、逃げる。こんどは上手くいって、階段に入ることができた。手すりを乗り越えて、落ちるようにして階段を降りる。その際、手すりをつかみながら、ぐるぐる回るように心がけた。体に遠心力を感じながら、どんどん落ちて行くと、素早く逃げられた。しかし、男も遅れずについてくる。

何回もほど階段を降り、廊下を通じて階段を乗り換えた。また同じように階段をおり、狭い廊下に出てすぐ左に、薄汚れた透明の自動ドアがあった。電源が入っていなかったので、小さい取っ手に指をかけて手動でこじあける。右だけ開けたが、連動して左側もあいた。自動ドアを出て扉を閉めると、男がドアにつっかえているらしいことを感じ取った。

自動ドアを出ると暗い場所にでた。建物はマインクラフトで作られた巨大な石の城のようで、左手には広い通路、右手には荒れた植え込みと、国道に通じる道があった。左手の広い通路の左右には巨大な建物がそびえ立ち、国道に通じる道はひび割れていて、いくばくか草が生えている。夜で星ひとつない真っ暗な空だが、十分に明るい。

その後も、何回か似たような逃亡を繰り返した。

そしてあるタイミングで、自動ドアを出た直後、左手に進み建物の裏に回ろうとする。男は、まだついてきているようだったので必死に走る。しかし、重力が弱くて足が地につかず、うまく走れない。

このとき、脳裏に脱出してきた建物のイメージが鮮明に浮かび上がった。海上にある10階建ての古い体育館のような建物で、濡れた砂の上に建っている。まわりには何もない。小学校の校舎のように窓がたくさんついているが、どれもくすんでいる。廃墟のよう。空は快晴。

さて、建物の裏側にまわると、3mくらいの高さの巨大な畝があった。畝は背が低い雑草が青々と生えていた。

2~3人の仲間と今後の動きを相談しながら、畝の後ろにまわりこんだ。追いかけてきた男たちは畝を乗り越えてきたため、畝の右側をまわって逃げる。追いかけてきた男たちも、重力のせいで走るのに苦労していたようだった。

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