第11話 あなたと・・・

「夕哉君…私と付き合って欲しい」

「…ごめん…俺…今…好きな子いるから」

「えっ…そう…なんだ……」

「……本当ごめん……」

「分かった」




同じ学校の子に告白された。


もう何度目だろう?


彼女が気になる存在になってから


更に俺は学年関係なく告白される事が増え


何度も何度も断っている。




その日の夜、俺は彼女にメールをした。



♪~


『みうちゃーん聞いて~!今日もまた女子に告白されて断ったんだけど』

『どうして俺に拘るのかが分からないんだけど』




♪~


『ゆうや君、カッコイイからモテるんだよ』

『グループで出掛けた時には既に女友達も多いみたいな事だったし』

『それだけ魅力的って事でしょう?』


♪~


『いや、だからって……断り続けるのは辛い』




私は笑う。



♪~


『みうちゃんは、俺をどのゾーンに分ける?』

『ストライクゾーン、少しストライクゾーン、まあストライクゾーン』



♪~


『微妙質問違うけど、結果全部ストライクゾーンだよね』



♪~


『ばれた?』



♪~


『分かるよ』


私は笑いながらもメールを返信する。




♪~


『ストライク、ごめん、普通、どれ?』



♪~


『ごめんかな?』



♪~


『ええっ!嘘!マジで?』



♪~


『嘘、嘘。普通かな?』



♪~


『普通かぁ~』



♪~


『うん。だけど…いつかストライクになるかもしれないよ』

『正直、まだ分からないから』



♪~


『じゃあ、候補者1人。決定な♪ 』

『俺も、みうちゃんの為に特等席あけておくから、みうちゃんも俺の特等席作っておいて♪』




夕哉君とメールしてから彼の良さが分かってきてる今日この頃。


普段と変わらないような気もするけど何処か違う一面を見てるような気がしてならない。


きっとこれが彼の性格なのだろう?と思う。


モテるのが分かるような気がする。


そんな私も好き寄りに近かったりする。




そんなある日の事 ――――




♪~


『なあ、みうちゃん、今日は真面目な話して良い?』



♪~


『何?急に改まって』



♪~


『君の…いや…みうちゃんの…マジな心境聞かせてくれないかな?』



♪~


『心境?』



♪~


『俺、好きなんだ。みうちゃんの事……』




ドキン




♪~


『いつからだろう?みうちゃんの事……気になって仕方がなくて…正直…気持ち押え切れなくて…自分の想い…マジ(本気)でぶつけてんだけど』




「夕哉君…」




♪~


『俺の事…まだ受け入れられない?前の彼氏の事が、まだ心残りなら…俺…これ以上は何も言わない』




♪~


『ありがとう…返事明日で良いかな?』

『だけど、これだけは言っておきたい』




♪~


『何?』



♪~


『ゆうや君の事は嫌いじゃないよ。私の正直な想い…友達以上恋人未満』




「魅憂ちゃん……」




♪~


『そうか…分かった』

『じゃあ、明日、いつもの所で待ち合わせな』




♪~


『うん。明日』





次の日 ――――



「魅憂ちゃん」

「夕哉君」



私達は本題に入らず一先ず世間話をしていた。




「夕哉君…それから昨日の事だけど…」


「うん…別にゆっくりで良かったんだけど…正直…返事聞くの怖いんだけど…」


「そう?じゃあ言わない方が良い?」


「いや…聞くよ!頑張って聞く!」



「………………」



「…夕哉君の…気持ち…凄く嬉しかった」

「うん」

「私……あなたの瞳じゃなくて……あなた自身の良い所、悪い所…引っ括めて…」



「…………」



「夕哉君の事……これからもっと好きになっていくから……」


「…魅憂…ちゃん……」




私は夕哉君に歩み寄るとキスをした。



「み、魅憂ちゃんっ!」



夕哉君はかなり赤面している。



「ふ、不意打ちのキスは反則だし!」




クスクス笑う私。



「……きっと……彼氏は……まだ俺の知らない君の事を知っているんだろうな…」


「えっ?」



そう言うと私にキスをする夕哉君。



ドキン



「彼氏の思い出と一緒に…俺との人生スタートしよう……魅憂」



ドキン



「……うん……夕哉……よろしくね……」



私達は再びキスをし何度も何度も角度を変えキスをした。



「…魅憂は…きっと俺よりも大人だな…」

「えっ?」

「俺…他界した彼氏越えれるかな?」


「…夕哉は…そのままで良いから…彼氏は彼氏…夕哉は夕哉だよ…お互いありのままでいられる恋人同士になれば良いんだよ」


「魅憂…」


「他人と比べなくて良いから…ねっ!夕哉」


「分かった…ありがとう…魅憂…」




私達は抱きしめ合った。
























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あなたの瞳で・・・ ハル @haru4649

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ