上等な代物


「こんちゃーっす」

「訓練に来ましたーっと」

「ちゃっす照さん」


「おはよう」

「……その懐にあるの」


「え?あ」

「分かります?」

(一応)

(服で誤魔化してんのに)

(士柄武物ん隠してんの分かんのか)

「これっす」

「士柄武物」


「……そんな士柄武物」

「持ってたんだ」


「あ。いや」

「今日貰ったモンで」

「これから」

「士柄武物を使った訓練とかするんすよね?」


「うん」

「でも、そっか……」

「これは、必要無かったか」


「え?なんすかそれ」

「……ってそれ、士柄武物すか」


「一応訓練用にあげようと思った奴」

「結構余ってるの多いから」


「え、ちょっ!」

「くれるんなら欲しいんすけどッ!!」


「ダメ」

「士柄武物は」

「一つを使役して」

「じっくりと練度をあげるものだから」

「キミのそれ」

「多分私が用意したモノよりも上等だから」

「そっちを中心に鍛えた方が良いかも」


「へぇ……流石お嬢」

「良いモンくれたぜ」


「それじゃ」

「それを使って」

「訓練を始めようか」


「うっす」

「お願いしゃっす!」

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