らっきーすけべ


「ッと」

「此処は?」

「……街?」

「あぁ、なんだ、アレだ」

「隣町か、此処」

「しっかし危ねぇな」

「着地位置が地面から二メートル離れてるとか」

「そりゃ確かに一緒に居ないと危ないわな」


「……ねえ、八峡」

「今だけ、感謝の言葉を口にしてあげるわ」

「こうして、私の体が地面に付かない様に」

「抱き留めてくれてありがとう、なんて」

「だから、ね、八峡……」


「んあ?」

「んだよお嬢」

「歯切れが悪いな」


「……好い加減」

「怒っても良いかしら?」

「貴方の手が、私の臀部に触れてるのだけれど」


「あ?」

「あぁ……そうか」

「背中にしちゃ」

「少し柔らかいと思ったわ」


「ッや、かい?」

「感謝したのだから」

「だから、揉んだ回数分だけ」

「張り手をしても?」


「うっわお嬢」

「間近で見るとアレだな」

「睫毛長いよな」


「褒めても意味無いのだけれどッ!」

「このっ、このぉ!!」


「待て待て」

「まずは立ち上がってからの話だ」

「このまま抱き締めあって倒れてるのは」

「流石に公衆の面前でイチャコラしてる風にしか見えねぇし」


「っ……一理あるわね」

「では、まずは手を離しなさい」

「私の臀部から、手をッ離しなさいッ!」


「へいへい……」

「よし、次に立ち上がって……」


「ふぅ……さて」

「八峡、覚悟は良いかしら?」


「なけりゃ尻なんて触らねぇよ」

「あ、叩く前に一つ」


「……何かしら?」


「意外と軽いんだな、お嬢」


「このぉ!」


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