危機脱出



「界守っ」

「早く術式をッ」


「うーん………」


「界守?」

「何を考える素振りをしているの?」


「しかし……いえ」

「それでは……破瓜には……」

「ならば二人……をすれば」

「せっかく居ることですし……」

「とてもエッチな事に……」


「界守ッ?!」

「本当に何を考えてるのッ」


「おいッ急げって」

「やべェ来るぞアイツらッ」


「ふむ……ではそれで行きましょう」


「どれで行くつもりなのッ?!」


「さっ、八峡さま」

「まずはお嬢様を抱き締めてください」

「脱出をしますので」


「はあっ!?何を言ってるのかしらっ!!」


「了解ッ!」


「ちょっ!」

「八峡っどこ触って」

「きゃっ!」


「素晴らしいです八峡さま」

「お嬢様をお姫様抱っことは」

「やはり見込んだ通りです」


「ちょっ、八峡っ」

「離しなっ」


「あ!?」

「俺たちは脱出するんだろうが!」

「界守さんの言うこと聞かねぇと」

「失敗して捕まるかもしれねぇだろうが!!」


「そ、そう、そうか、も?」

「えと、じゃあ、このまま、で」

「ってなるワケ無いでしょうに!」


「そのままで!」

「お嬢様たちを別の場所に飛ばします!」


「界守、貴方は!?」


「申し訳ございません……」

「この術式は定員が二人のみでして……」


「嘘付きなさいなっ」

「この前十人くらい楽々と動かしていたでしょうがっ!!」


「うう、悲しいですが」

「お嬢様、ここでお別れです」

「生きていたら、また逢いましょう………」


「け、界守……」


「お嬢様……」

「……ぐいっ」


「その卑猥なジェスチャーの意味は!?」


「それでは参ります」

「『移』ッ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る