贄波家へようこそっ!
「へいへい」
「贄波家(洋館)以外にも」
「別荘地があって」
「其処に贄波家が所有する士柄武物を」
「保管してるってワケか」
「えぇ、そうよ」
「基本的に討伐を完了すると」
「政府から報奨金が出るのだけれど」
「あまりにもお金がかかるから」
「政府が咒界を通して」
「士柄武物や階級を上げる様に通達している」
「と言うのが体裁ね」
「国と対等な関係であると認識させる事で」
「咒界連盟が強大な組織であると周囲に露見させてるの」
「そこらへんの話は聞くだけでムズ痒いんだけどよォ」
「まあつまり」
「討伐で金ん代わりに」
「士柄武物が与えられるって話だろ?」
「えぇ」
「つまる話がそう言う事ね」
「で」
「なんで俺が此処に居るんだよ」
「あら」
「てっきり手伝わせて下さいと」
「言うと思ったのだけれど」
「いや」
「そう頭を下げる程じゃねぇけどよ」
「……?」
「え、なに」
「冗談だったのだけれど」
「もしかして本当に」
「手伝うつもりだったのかしら?」
「あ?当たり前だろうが」
「手伝わない選択なんか無ェだろ」
「………」
「なんだよお嬢」
「自己中な貴女が」
「どういう風の吹き回しなのかしら?」
「……何が目的?」
「なんもねぇよ」
「お嬢様」
「八峡さまは」
「お嬢様の体を目当てにしているのです」
「ひッ……けだものッ」
「体が目当てでもねぇよ」
「別に、無償で動く事くらいあるっての」
「……いや、こういうの」
「マジで口に出すのアレなんだけどよォ」
「まぁ、その、なんだ」
「借りがあるからな」
「お嬢にはよ」
「借り?……貴方」
「そんな律儀な人間だったかしら?」
「クズな俺は死んだだけだ」
「今は新生八峡義弥大尊厳帝王様だぜ」
「……まあ」
「ようするに手伝う、そう言うワケね」
「なら、作戦を立てましょうか」
「屋敷に入る作戦を」
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