自宅に侵入



「『穴』」

「これで」

「別荘地に入る事が出来ます」


「へいへい」

「お邪魔しますっと」


「気を付けないさいな八峡」

「センサーが反応して」

「厭穢が出てくるわ」


「なんでだよ」


「そういう警備会社があるのよ」

「警備会社と言うか」

「そういう祓ヰ師が売買してるの」


「はァん」

「けど厭穢だろ?」

「楽勝楽勝」


「貴方」

「過去にどんな目に遭ったか覚えて無いのかしら?」

「……まあ、例え強かったとしても」

「物理的に攻撃する為に設置してないのよ」


「どういう意味だよ」


「その祓ヰ師は」

「厭穢の権能を駆使した警備を作った」

「例えば幽世」

「侵入した人間を幽世に封じ込める様にしたり」

「瘴気を発生させて、恐慌状態に陥らせたりさせるの」

「だから強弱関係なく」

「侵入者を捉える事が出来る」


「危ないじゃねぇか」

「これ見つかったら」

「お前ん所の婆さんに殺されるんだろ?」


「流石に其処までじゃないけれど」

「まあ、こちらには」

「万能術式の界守が居るし」


「はい」

「万能にして煩悩の界守です」


「知ってるわ」

「彼女の象形術式は」

「文字の意味を具現化させる」


「最強じゃねぇか」

「相手に死ねって書いたら」

「死ぬんだろ?」


「……まあ、そうね」

「けど色々と限定されてるの」

「流石にそれを私の口から公言する真似は出来ないけれど」


「『解』」

「お嬢様」

「警備を一時的に解除しました」


「ありがと」

「さ、八峡、入りましょう」


「うーっす」

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