いきあたりばったり


「で」

「なんでお嬢」

「あさがお寮に来てんだよ」


「ふぅ……え?」

「あぁ、それは」

「謀反よ」


「謀反?」

「なんだよ謀反って」


「実家を出てきたの」


「へぇ……あ?」

「………マジかよ」

「それ、あれか?」

「俺が自由云々って言ったからか?」


「違うわ」

「元から家を出ようとは思ってたから」

「謀反を結構する際に」

「偶然にも貴方がそんな言葉を吐いただけ」

「決して八峡に感化されたワケじゃないわ」


「……本当かぁ?」


「……なによその疑いの目は」

「言っておくけれど本当よ」

「私、ウソなんて吐いた事無いもの」


「……まあ、嘘誠云々は置いといて」


「ちょっと」

「置いとかないでよ」


「贄波家に謀反なんてよ」

「具体的にはどうするんだよ」


「……そうね」

「まず第一に」

「術式を取り戻す事が大前提」

「悔しいけれど」

「〈ソノコ〉が使えなければ」

「私はそこらの少女とは変わらないわ」

「お婆様と戦うのなら」

「相応の術式や技術が必要になる」


「……お前ん所の婆さん」

「そんな強いのか?」


「……私が知る限りは」

「無名だった贄波家を」

「御三家にまで上り詰めた人よ」

「コネや能力に関しては」

「其処らの術師よりも潤沢じゃないかしら?」


「はぁん……」


「……考えれば考える程に」

「本当に出過ぎた真似だと思ってしまうわ……」

「けど……あそこで盾突かないと………」

「私は………」


「……お嬢」

「もしかしてノープランなん――」


「そんなワケ無いでしょうッ!」

「ちゃんと考えてるわッ!」


「じゃあ」

「なんでそんな苦々しい顔してんだよ」


「武者震いよ」


「震えてねぇじゃねぇかよ」

「まあ、良くあるわな」

「なんかテンション上がって」

「バカやる事なんてよォ」


「ちょっと八峡」

「あなたと一緒にしないで頂戴」

「本ッ当に考えているのだけれど」


「じゃあこれからどうするんだよ」


「………」

「……………ぶき」

「そう、武器よ」

「士柄武物」

「それを集めるの」


「……はァん」


「何よその反応」

「言っておくけどアテはあるのよ」


「はァん」

「何処だよ、そのアテって」


「私の家」


「……なあ界守さん」

「あんたん所のお嬢本当に大丈夫か?」


「……そういうところが」

「お可愛いので」


「なによッ!」

「まるで私がバカみたいな反応してッ!」

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