コンビニでたむろ


「………」

(くそ、見えそうで見えねぇ……)

「……チッ」

(ダダ漏れだ)

(馬鹿共が)

(恐らく、聞き込みで来たんだろうな)


『お前』

『この写真の奴探してんのか?』


(失敗だったな)

(出口付近に三人)

(固まってやがる)

(人避けと)

(俺を逃がさない様にする為の)

(包囲網って所か)

(恐らくは)

(外化師の方からの差し金って奴か)

(祓ヰ師とか術式じゃなくて)

(あくまでも一般人か)

(店舗内に五人)

(棚に挟まれた狭い通路)

(カウンター側に一人)

(ジュース棚側に二人)

(棚の後ろにゃ)

(一人づつ固まってやがる)

(まあ)

(仕方ねぇ)

(此処は一つ)


「………おい、動くぞ」

「……囲っ?!」

「お、うぉおお!?」

「が、ガラス割りやがった!!」


「逃げるかッ」


「ざけんなアイツ!」

「追え、追えッ!」


(路地裏で良いか)

(誰も居ねぇな)

(うっし)

(ここなら)

(返り討ちにしても問題ねぇな)

(五十市さんの………は)

(脅しには使えねぇな)

(刃物の方が)

(脅しに使い易い)

(誰もが凶器だと分かる)

(武器の象徴だし……)

(贄波のオッサンなら)

(こっちの方が扱いやすいと言うだろうな)

(……準備は出来た)

(来いよクズ共)


「おい、居たぞ」

「チッ、好い加減にしろ」

「早くぶっ殺して帰ろうぜ」


「テメェら」

「雇われモンだろ?」

「誰に雇われてんだよ?」


「言う訳ねぇだろバーカ」

「此処で死ねよ」

「全裸にして写真とってやろうぜ」

「泣かしてやるからよぉ!」


「一、二、三」

「四と五……飛んで十二か」

「それで全員か?」

「なら良かったわ」

「十三ならヤバかった」

「が、十二なら……」

「倒せるわ」

「余裕によォ」

「雑魚は1ダースでも雑魚だからよォ」

「一斉に掛かって来いや」

「それとも?」

「刃物にビビッて来れねぇか?」

「ま、逃がさねぇけどな」

「お前らはこの俺を」

「追い込んだつもりだろうが」

「逆だ」

「俺が」

「お前らを」

「誘い込んだ」

「逃げるんじゃねぇぞ?雑魚ども」

「ぎひゃひゃッ」


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