刑務所で天丼


『その生徒』

『昔、事件を起こしたみたいで』


(最低よ)

(子供を追い掛けて)

(電車に轢かれて)

(自分は悪くない)

(なんて言って逃げて)

(そんなの)

(自分が殺した様なものなのにッ)

(肉親……両親がやった)

(それが、正解でしょうけども……)

(あぁ、もう)

(多分、両親は子供の敵討ちに)

(外化師を雇ったんでしょうね)

(名前さえ分かれば……)

(一気に外化師に繋がる事が出来るのにッ)

(………けど、一応は進展しているわ)

(こういった事件は)

(その関係者に聞くしかないわ)

(次は、警察署ね)


「どうも」

「お待たせしました」


「いやあ」

「まさか本当に居るとは」

「思いませんでしたねぇ……」


「止めて下さる?」

「煙草を吸うの」

「あと」

「細かい様だけれど」

「こういうのじゃ」

「一言申すべきじゃなくて?」


「すいませんねぇ」


「失礼します」


「粗茶ですが……」


「………」

「……えい」


「ぎゃああああああ!!」


「もうッ!」

「なんなのこの街はッ!」

「誰も彼もが薬を入れてきてッ」

「最ッ悪、最ッ低ッ!」


「く、ちち」

「すいませんねぇ」

「まあ、どうやら」

「本物、らしい感じで」


「偽物かどうか」

「見極めさせて貰いましたよ」

「押収した薬」

「無味無臭で話題だったんですけどねぇ」

「こんな簡単に当てられちまうとは……」


「押収品使うなんて」

「刑事失格じゃないのかしら」

「いえ」

「失格ね」


「すいませんでした」

「まあ、これで円満に進みますよ」


「何処がッ」


「はぁ……」

「こっちは忙しいの」

「さっさと資料を寄越しなさい」


「良いですけども」

「なんの事件が知りたいんですかい?」

「あと、資料を見つけるの」

「多分数時間は掛かりますよ?」


「数時間」

「構わないわ」

「此処で待ってるから」

「さっさと探しなさい」


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