茶に薬を盛る系教師

 

「贄波さんで」

「どうぞどうぞ」


「ある生徒のお話を聞きたいのだけれど」


(へへ……極上なメスだ)


「……失礼ですが」

「私の声は届いてますか?」


(生徒も生徒なら)

(教師も教師ね)


「少しお待ちください」

「今ぁ、お茶を用意しますので」


(早くして欲しいのだけれど)


「ささ」

「どうぞどうぞ」


「………はぁ」

「………えい」


「ひ、ぎゃぁッ!!?」


「……最近市場に出回らない」

「噂の薬と言う所かしら?」

「眠らせるつもりだったのか」

「私を発情させたかったのかは知らないけれど」

「幼少の頃から見分け方は知ってるの」

「貴方如きが手に入らない薬の見極め方すら」

「私は知ってるのよ?」

「こんな粗悪品」

「見分けられない筈が無いわ」

「まあ」

「例え飲ませた所で」

「意味なんて無いのだけれど」

「祓ヰ師の全ては」

「そう言った薬に対する耐性を持ってるのだから」


「く、そッ」

「こんな、こんな真似をしてひゃほ?」


『ゴレェ』

『ギライィイイイ!!』

『ヅブッ、ヅブレッ、ヅブレヂャァアアア!!!』


「……薬で何人の女を落としたのかも知れないけれど」

「それを使ってでしか女を落とせないなんて最低ね」

「男として恥ずかしくないのかしら?」

「まあ、もう男では無いのだけれど」


「あが、ひゃッ……ひあッ」


「本当に、全て、台無しにしてしまいたいわ……」

「……けど」

「祓ヰ師の誇りとして」

「それはしない」


「……やっぱり」

「私も人間だから」

「一度しか言わないわ」

「さっさと情報を出して」

「それとも」

「二度目を言わせて欲しいのかしら?」




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