第5話 消滅! 和服を着る謎の会。和服会!
前回までのあらすじ。
役者Aの
役者A曰く、
「和服を着て芸術を広めるパフォーマンス集団を結成したい」
との事。
意気揚々と意気込みを語る役者Aの話に飽きたのか、僕と同様に呼び出されたチャラそうなギャル男さんが物申します。
「こうやって集まるだけで何にもしないんだったら何の意味も無くね?」
ザ! 正! 論!
○気まずい雰囲気の駅前の夜。
役者A
「ま、まぁ。今日は顔合わせみたいなもんでさ。パフォーマンスは後日ってことで」
そんな感じで微妙な空気のままその日は解散。その後、ギャル男さんとお笑いの二人組と会う事はありませんでした。
役者Aと仲の良かった元暴走族の看護師さんだけは何度か駅前に顔を出してきましたが、そこは武闘派の元暴走族。
元ヤン看護師さん
「役者Aにまだ一度も勝ててないオレは男じゃねぇ! 役者A、俺と勝負しろ!」
そう言って駅前の路上で取っ組み合いを始めて、家路に着く人々を尻目に投げ技、寝技を展開し、最終的には役者Aが手から出血しつつも元ヤンさんに締め技をかけて勝利。
元ヤン看護師
「負けたー」
そう言って地面に大の字になって転がる元ヤン看護師さん……いや、これ元ヤンか? 現役ヤンキーじゃね?
(ちなみに元ヤンヤンキーさんは二児のパパです)
○結局どうなる? 和服会。
その後、定期的に駅前でパフォーマンスをするようになった役者A。一体何をするのだろうと思っていたら、彼はパフォーマンスとして駅前で木刀片手に
夜の駅前のペデストリアンデッキでブンブン木刀を振り回す姿は、もはや完璧な異常者!
役者A
「北野武の次回作が時代劇なんだよね。今のうち練習もかねて体動かしとこうと思ってさ! ちぇい! せぇい!」
と気合十分。和服会と銘打っているだけあって衣装は
そして振り向きざまの
当たり前なのですが駅周辺を見回るお巡りさんに注意、職務質問されること多数。
最後には駅の利用者からの通報を受けて厳重注意。結局、駅前で殺陣を演じる事を禁止されてしまいます。
うーん。まぁ、そうだろうね。
ちなみに僕は学生時代に剣道をやっていたのですが(一応、二段。剣道経験者は大体二段を持っているので珍しくはないし、強くもないのよ)、役者Aの木刀さばきが堅苦しい動きだったのを覚えています。足運びもめちゃくちゃ。大振りをすれば木刀に重心が持って行かれるのが分かるくらい不安定。あふん。
本当に殺陣の経験あるのだろうか、と思っていた矢先のお巡りさんからの厳重注意でしたので事実は不明です。まぁ、多分、見よう見まねで木刀振ってただけなんだろうけど……。
そのしばらく後、駅前の居心地が悪くなったのか役者Aはこんな事を言い出しました。
役者A
「俺、東京に拠点移すからさ。オフィス北野にも定期的に顔出したいし」
Ghost
「え? じゃ、和服会はどうするんですか?」
役者A
「東京近いし、たまに帰ってきて、こっちでも活動するよ」
確かに、僕らが活動の拠点にした某駅は在来線で都内にも行けちゃう場所だけど……。
ちなみに役者Aは「北野武の次回作が時代劇」と言っていましたが、この後に公開された北野武の映画はあの大作『アウトレイジ』の一作目でした……時代劇?
もちろん役者Aが『アウトレイジ』はもちろんの事、この後に北野映画に出演した試しはありません。オフィス北野に顔を出す、と言っていた物のオフィス北野に所属した事もありませんし。
それはそうと、最初に僕と一緒に呼び出されたはずのクラAさん。彼は僕のパフォーマンスを見に来てくれることはありましたが、自分から役者Aに会いに来る事はありませんでした。
クラAさん、いつもニコニコしてる人だったけど、今思うとよく相手を見極める人だったのかもしれない。
○で? Ghostは何かやったの?
さて、役者Aや元ヤン看護師さんの起こした珍妙な出来事ばかり書いておいて、
何を隠そう、僕は《路上》にドハマりしたのでした。
僕は駅前のペデストリアンデッキや連絡通路などの隅に座って鉛筆画を描き、完成した作品を絵葉書にして販売していました。すると興味を持った人が話しかけてくれます。
駅前の路上には本当に様々な人が居ます。子供、学生、サラリーマン、年配の人。
暴走族の少年に、家出娘に腐女子、酔っ払いのオッサン。
失恋したギャルに、ナンパしに来たチャラ男、エロゲーオタク。
怪しげな宗教家から、哲学者、マルチ商法の勧誘、ホームレス、旅人、ヤク中、バンドマン、詩人、政治家……etc。
普通に仕事しているだけでは絶対に会う事の無かった、面白い人や、ヤバい人達と
次回のエピソードでは某駅前の路上での小話をいくつかご紹介していきたいと思います。
あ、ちなみに路上で絵を描いている時は普通に洋服来てました。
正直、普段から和服なんて着てられません!
to be continued(/・ω・)/
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