6. Immorality

「……ああ」


 昔の夢を見た。気分は最悪だった。こういう時に限って、ウチの優秀なアンドロイドは起こしてくれないのだから困ったものだ――と思ったら、初日の出を見てすぐに電源を落したのだった。いくら機械が優秀でも、使う人間がポンコツでは意味がない、ということらしい。


 一階の診療所に降りると、ブルーシートに包まれた山が天井を突き破らんばかりに聳え立っていた。壊した玄関も、ちゃんと直していったようだった。どうやら、住職の仕事は早かったらしい。


「……じゃあ、やるか」


 白衣に着替えて、ブルーシートを剥ぎ取った。中には、かつて人間だった肉塊たちが、かつての姿のまま横たわっていた。



 

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