師走 三十日 カクヨムコン

「殿下、姫様、夕飯を……ってまだやってんですか」


 下男の青年が夕飯の盆を片手に執務室の扉を開くと、シレア国の為政者である二人、兄王子カエルムとその妹王女は卓の上の書類の山を前に羽根ペンと印を動かしていた。


「まだ終わってないからここに運んでって頼んだのよ」

「あと一ヶ月しかないからな。他の業務もあるし、休んでいる時間が惜しい」


 顔を書類に落とし作業を続けながら、二人は下男に告げた。毎年の国際的催しで、今年の参加者はもう一万を越えたという。今年二度目の参加になるシレアとしては、要領も悪くなんとかやっているという体なのだ。


「まぁとりあえず、夕飯召し上がったらどうです? 熱いまま召し上がっていただかないと、料理長が」

「あ、悪いけどこっちにくれる?」

「頼む、食べながらやるから」


 特に兄は政治にかけては辣腕、なににせようまくやる人物なのだが、この催しに関していえばやはりどうにも効率が悪い。もうあと一日で暦も区切りになるというのに、何かしらいい手立てがあるといいのだが。

 そう思いつつ、下男は料理長自慢の煮込み料理を持って書見台に近づいた。


 ***


 はい、こんばんは!

 この年越し企画ではコメントのお返しはしておりませんが、楽しんでいただけているでしょうか。

 私はみなさんのコメント面白いな〜と思いながら読ませていただいています。

 今年やり残したこと、特に面白かったです。私もドキドキしたかったー! モテモテにならなくてもいいですけれど、心踊ることはもっとあったらよかったな、とは思います。仕事ばっかりしていた気がする。

 思い残すところなし! という方もいらっしゃいましたね。年始の家の準備も終えて、あとは年明けを待つだけ! 素晴らしいです。私はやっと年賀状十枚出しました。あとキッチンの棚とか文房具だなちまちま片付けたり。あとは書類書いてました……そして昨日はいる新しい業務(納期一月)。


 はやぁ愚痴っぽくなってしまった!


 さてシレア王城の料理長が作っているのはなんでしょう。我が家の夕飯はあったまる煮込み料理グラーシュです。というのも冷蔵庫・冷凍庫の整理の際、お正月の食べ物を入れるスペースを作らなくては+お肉を買い足さないと、という話になった時のこと。


「冷凍庫に牛肉の塊、グラーシュにするつもりで……」

「今日グラーシュ食べたい」


 え。

 スペースを開けるために牛すじ肉をコトコトコトコト。グラーシュです。今日はやらなかったけれど煮込みを省エネで作るには、厚手の鍋(ホーローとか土鍋)で加熱、ある程度、火が通ったら羽毛布団で包みます。布団が汚れないようにタオルを巻いておくのもおすすめ。そのまま放置してください。余熱でしっかり火が通り、味も染み込みます。ひとり暮らしの時にガス代節約するために何度もやりました。

 おでんとかもこれがいいみたい。


 どうでも良すぎる前置き長すぎました。失礼!


 さてさて、スピンオフにかけた質問はずばり、「カクヨムコン参加してますか?」


 A. 参戦してるよ! 長編でも短編でも!


 B. 今年はよむよむにまわります♪


 さぁ参戦している方、ここで宣伝しちゃってください! 年末年始で時間のある方が、好みの作品を見つけてくださるかも?

 不参戦の方は、相性のいい作品に巡り合うかもしれません!

 コメント欄のチェックを忘れずに♪


 せっかく年末年始でお休みの方も多いと思うので、みなさんのお話に興味を持ってくださるためにも、これはやらなきゃ、と思っていた質問なのです。この機会にアピールどうぞです。


 私も紹介いたします。

 蜜柑桜は長編二篇、ファンタジー参戦です。


『時の迷い路』

 スピンオフのシレア国シリーズ第一作です。単独で読めます。王女が主役のお話です。国で唯一、時を知らせる時計台の停止。その謎に王女が立ち向かいます。そして、そんな彼女の目の前に現れた少女とは……? シリアス・ファンタジーです。

 スピンオフでは私がふざけてるので雰囲気が違うかもしれませんが、物語の中は至って真面目です。登場人物たちも然り。こんなに抜けてませんので!

 作品リンクはこちら。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054889868322


『楽園の果実』

 ユークレース国王女ラピスは、父国王の病を救うため、『奇跡の林檎』を手に入れる旅に出ます。神々に永遠の命を許すほどの力を持つと言われる奇跡の林檎。お供は彼女の従者、クエルクス一人のみ。二人の旅路は……? シリアス・ファンタジー。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894170460



 短編は既存作を四つです。


『春風ひとつ、想いを揺らして』

 コロナ禍、ロックダウンでのテレワーク。ある大人の女性の心が動きます。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054895197985


『空に走る』

 フォトグラファーの二人の物語。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054919015892


『雪を溶く熱』

 旅館の女将になる美冬の決意と成長のお話。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898630086



 以上はゆあん様の筆致企画参加作品。一つの大まかなあらすじから物語を書くものです。


『桜花一片の約束』

 横暴な領主の元から、意に反して嫁がされた公女を連れ去ったのは……? 舞台は異世界のとある美しき女剣士の一夜の物語。重厚な世界を目指してみました。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894598575


 読んでいただけたら嬉しいです。


 ***


「しかし……この品評会、どうやったら集客できるというのだ」

「んー、やっぱり戦略とかってよくわからないわ。上手い人は上手いのでしょうけれど、そもそもお兄様にもお分かりにならないのでは……」

「良作にするしかない、ということだろうな。下手な小手先で人が集まっても落胆させるほど情けないことはない」

「それもそうね」


 では、カクヨムコン6、楽しんで頑張れますように。


 明日は今年最後の「あなたはどっち」。新年も続きますので、こんなの聞いてみたい、という質問も募集します。


 みなさま、ちゃんとしっかりよく寝て風邪など召されないでくださいね。





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