師走 三十日 寒いですね

 北の山々に茂る林から伐採された材木をしいたシレア城の廊下は、木目が美しく朝日夕日が当たるとそれはそれは見事に艶めくが、いかんせん冬は寒い。しかし今日もその寒さに負けず廊下を走る者がいる。

 足音高く駆けていく青年は、老中に怒鳴られても軽く謝罪するのみで速度を緩めることはない。もっと厄介な人間が行く先にいるのだ。目的地の扉を勢いよく開け、青年は中に突っ込んだ。


「遅いぞ若造。煮込み過ぎになるわ。ちょうどいま、最後の火入れが終わったところだけどな」

「間に合ったならいいだろ、料理長おっさんっ……はぁっ……こっちさっむいところを」

「だから煮込み料理なんだろう。ほれ殿下と姫様たちのところに持ってったらさっさとお前も食って身体あっためろ」


 憮然とした表情の料理長ではあったが、そっけない言葉を並べながらも、ほれ味見だ、と青年の前に熱々のスープを出してやる。受け取ると、冷えた手がじんわりと温まる。


「ぅわ、うま。これ香辛料、赤いやつ?」

「辛みを出すやつだが、そこまででもないだろ。玉ねぎ甘いからな」


 配膳を気にして大急ぎで飲み込もうとする青年に、火傷するなと椅子を出してやる。やはり寒い日には暖炉と暖かい料理が一番である。


 ***


 みなさん、今日もお仕事の人もまだお仕事の人も、家事の方もお疲れ様です! お昼に中華の選択肢がなくてごめんなさい〜! さてまたやってしまいました。我が作からのスピンオフ。エッセイやら創作論に乱入してくるのがシレア城の面々です。


 と、言うわけで。

 今度の年末年始は極寒ですね! 皆様、どうやってあったまりますか? 


 A. エアコンの下でまったり!


 B. ストーブの前で丸まる


 C. 炬燵でぬくぬく。


 D. 暖房などつけぬわ!


 E. その他


 結構痩せ我慢してしまう(貧乏性という)蜜柑桜の質問です。

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