第29話 コンサート?とマルのおしゃべり

「隊長?コンサートって まさか三姉妹の前で歌うっすか?」


「隊長さすがにそれは襲ってくれと言わんはかりてすよ」


「ヒロ覚えてるか?村の祝いの席での事」


「あー俺が歌って皆喜んでくれて少し照れ臭かったっす」


「そうだあの時の皆の感動の様子ただ事ではなかった、我らまでがヒロの歌に見いられていた。あれは一種の魅了効果だよ」


「そうか!たしかヒロには歌唱のスキルがあったんだったな」


「そうだ、ヒロに子守唄を歌って貰いたい。昔我々が母より聞いたあの子守唄だ。」


ピィピィピィピィ~♪ピィ


「なんすか?マルも歌いたいっすか?」


ピィ~♪


「リュウさんマルも歌いたいみたいっす」


「マルよく聞いてくれ、これは遊びじゃないぞ、失敗は許されない。だから…」


ピィピィッピィピィッ💢


「怒ってるっすね…」


「失敗なんてしないもん💢」


えっ?!


マル?!


「僕は光魔法でヒロの声を皆にたくさん届けられるもん💢」


「マルお前話せるのか?」


「えっ? 僕の言葉が皆に伝わってる…?!わぁーい わぁーい 皆とおしゃべり出来るよわぁーい わぁーい。」


「これはまた…コルセア様の力か、はたまたアスラ神様の力かマルよセルシ隊の一員として命じる、ヒロと共に歌いゴーゴンの三姉妹並びに従者の魔物に睡眠効果を与えてくるのだ。」


「ピィピィ 分かったよ隊長。リュウ僕がんばるからね。」


「マルお前はまだ子供だ、無理するなよ」


「💢 僕だってもうすぐ進化して大人になるもん。でもリュウありがとう…」


「よし 暗くなるのを待つ、それまでに夜営地をリュウ探してくれ。私も同行する。ヒロとマルはこの大岩で警戒をしていてくれ」


「ピィ 了解っす」


大岩より少し東へ行くリュウとセルシは荒れ果てた山の麓のある場所で足を止めていた。


「あれは洞窟か?」


「いえ 何かの巣穴の可能性も有りますが、どうしますか?」


「全員で洞窟へ向かう、我らのみでは危険だ。あの大岩からそう離れてはいないから小高い丘へもすぐの距離だ。一端退却し再度洞窟へ向かう。」


「了解しました。」


リュウとセルシは大岩へ引き返しマルとヒロに洞窟の事を話した。そしてセルシ隊で洞窟の前まで来たその時…


ウゥゥゥ…ウゥゥゥ…


「隊長ゾンビっす」


「ヒロっ斬るなよ、あれはメイドか従者だ絶対斬るなよ。俺がコルセア様の鏡盾をあのゾンビに向ける、ヒロとリュウ、マルはあのゾンビの気を引いてくれ」


ゾンビはたまたま一体のみで現れた為ヒロ、リュウはゾンビの前と後ろに展開しマルは丁度ゾンビの手が届かない辺りの上空をクルクル回っていた。そしてついに…


「今まで大変でしたね、今解放致します。コルセア様、あなたの御慈悲をこの者にお与え下さい。ハァッ!」


セルシが胴体が少し隠れる位の丸い鏡が湾曲した様なとても美しい盾をゾンビへと向けるとゾンビはにわかに光を放ちウゥゥゥウゥゥゥと苦しんでいた、そして バタッとその場に倒れ込んでしまったのだった。そして…


「隊長 近付いて見ますか…」


「ヒロ気をつけて近付けよ」


「先程までの殺気は消えてますがヒロ気をつけろよ」


ゆっくり近付くヒロだったが突然!


ウゥゥゥ うっ?!


「うァァ…まだゾンビのままっす、飛び掛かって来たっす」


「お お願い助けて下さい 」











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