第30話 お願い 助けて下さい
「お願い助けて下さい、帝都が帝都ヴァルナが魔物の群れに飲み込まれて…姫様方がゼルノスカヤに…お願い助けてぇ」
「いかん、記憶が彼女の記憶が一気に流れ込んでこのままでは脳が耐えられんぞ」
「大丈夫っすよ、俺らはこの先にある村の傭兵団っす。あなた方を助けに来たっす。俺の名はヒロ、あなたの名前を聞かせてくれますか?」
「助けてくれるの…お願いします、私の名前はマリノアです。皆と離ればなれになってしまって、確か大きな目玉の魔物が…キャャァ助けてお願い助けて…」
「大丈夫っすよ、俺達を信じてくれっす。もうマリノアさんは助かったっすよ」
「ピィピィ~♪ピィピィ~♪」
マルも彼女の肩に乗り頬を伝う涙を嘴で拭っていたのだった、セルシやリュウも止まらない涙を必死に堪えるので精一杯だった。
「リュウ、俺達の中で一番強いのはヒロかもしれんな」
「そうですね隊長、恥ずかしながら僕は彼女の悲しみに掛ける言葉が見つからなかった…なのにヒロは心から言葉を彼女に伝え、安心させてみせた、行きましょう我らもヒロに負けられませんから」
しばらくは涙をながし帝都での恐怖にガタガタと震えていたが、今は彼女には伝えてはいなかった。帝都ヴァルナでの出来事は300年も昔の事だと言う事は…
「マリノアさん この洞窟で休んでいて下さい。我らセルシ隊は今宵お仲間を助けに参ります。」
「お願い…1人にしないで、私 私を1人にしないで…」
「マリノアさん、じゃぁこうしましょうこの小鳥のマルを置いてきます。マルは光の魔法で軽い結界を作れます。あなたを害する者など結界内には入れませんよ。」
「マルちゃん…」
「ピィピィ~ピィピィ~ 任せてよマリノア僕は結構強いんだぁ だからマリノアを守ってあげる」
「マルちゃんお話出来るのね、ありがとうマルちゃん。分かりました姫様方の事宜しくお願いします。」
仕事を任されたマルはとても誇らしげで任せろと言わんばかりにマリノアさんの周りを飛んでいた。
「そろそろ夜も更けてきた、行動開始だ、マル頼んだぞ。マリノアさんはマルが安眠の月光と言う睡眠効果のある魔法で寝かせてくれた。我らセルシ隊は三姉妹と従者らの解放作戦を開始する、ヒロよコンサートの開始だ。」
「安眠の月光はマルの話では狭い範囲の1人にしか効果がないらしい、ヒロの歌唱スキルで睡眠効果を狙うのがやはり効果的ですね。」
「任せて下さいっす。隊長とリュウさんも俺の歌で寝ないで下さいっすよ」
「ハハハッ洒落にならんな。大丈夫だその為の状態異常耐性の腕輪だ。」
「さぁ行きましょう隊長、ヒロ」
「セルシ隊出撃!」
オオッー!!
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