第25話 再びのダンジョンにて
村を出発してからはや2週間我らは魔獣の襲撃をいなしながらもやっとの思いでガイルの小屋近くまで来ていたのだった。
「ここも久々っすね隊長」
「だな、ガイルの話じゃ魔獣が嫌う薬草やらがこの辺りには生えているから魔獣は近寄りずらいらしいぞ」
「それならここで休憩をいれますか?」
「そうしよう。まだ先は長いからな2日程休憩としよう。行動は自由だが俺達が居た初めのダンジョンには単独では入るなよ。入るなら皆で入る。」
「ならば隊長お願いがあります。ダンジョンで宝箱の回収をしたいんです。」
「リュウは何かやりたい事でもあるのか?」
「隊長ぉぉ決まってるっすよ リオナさんっすよ。聞くだけヤボっすよ」
「ヒロだまれ…」
「ひぃーリュウさん怖いっす隊長ぉぉ」
「…まぁなんだ宝箱は有るかは運次第だが皆で行ってみるか」
「リオナさんは今の大太刀は気に入らないっすか?」
「いや物足りないそうだ…大太刀は日本の所謂日本刀の様な刀だがリオナには軽すぎて振り回されてしまうそうだ、だから本来なら大剣が欲しいそうだが金銭的な問題や扱えるかの心配やらがあるそうだよ」
「それでリュウがダンジョンで大剣を何とか調達出来ないかと踏んだ訳だな」
「…はぃ 私事ですいません隊長…」
「いいんだよリュウ、リオナは立派な隊の仲間だろ、もしかしたらリュウの奥さんに成るかもしらんのだしなw大切にしなけゃな!」
「クゥー うらやましい話っす、こうなったら飛びきりの綺麗な奥さん見付けてやるっす」
「それを言うなら彼女だろ、いきなり奥さんって(笑)」
「長話もなんだ許可は貰ってる、ガイルの小屋へまずは行こう」
「はい隊長!」
それからは魔法袋からアサルトボアの肉を焼いたり隊長が探してきた香草やら食べられる植物、キノコ、木の実等をヒロが調理し皆でガヤガヤと賑やかに夜は更けていったのだった。
「ダンジョンも変わらんっすね、トラさんの作った扉も壊れないでちゃんとダンジョン塞いでるっす」
「じゃ行くぞリュウ、ヒロ」
ダンジョンの扉を開くとコウモリの魔獣やらは相変わらず出たがもはや敵とはなり得なかった、先を進むと早くも階段が現れ下へと下るのだった。
「隊長このままだともう終わりっすよ、宝箱すら見当たらないし魔獣倒しても何も出ないっす」
「もしかしたら俺達が強くなった分、宝箱やらは出にくくなったのかもしれんなぁ …ウーン」
「ヒロ頼みがあるんだ、以前黒いリビングアーマーと白いリビングアーマーが居た部屋の直前まで斥候を頼めるか?」
「任せて欲しいっす、リュウさん少しお待ちを」
ヒロがその場を離れて程なく慌てる様にヒロがとんぼ返りしてきたのだった。
「どうしたんだヒロ、早いじゃないか」
「無いっす…」
「えっ?!」
「無いって何がないんだヒロ説明しろ」
「隊長…リビングアーマー達が居た広い部屋が無くなっていて洞窟が続いてるっす-」
「育ってるのか?このダンジョンは…」
「隊長、もしかしたら我々だけの調査では危険かもしれません。ここは撤退した方が…」
「確かに目的は三姉妹の解放だ、しかし宝箱はいいのかリュウ?」
「我々はアスラ神様とコルセア様からの使命が優先です。隊長ここは撤退してまたセルシ隊全員で来ませんか?」
「そうすっね、ちょっと残念すけど抜け駆けしたらトラさんやガイルさんが悔しがるっすよ」
「分かった、ここは撤退するがこの階だけは見極めて撤退する。危険があれば見極められなくても撤退が優先だ、いいな」
「はい!」
以前は広い空間だった場所は跡形もなくただの洞窟が続く場所となっていた。当然リビングアーマーも居らず我らは先へと歩を進めた、そして
「階段か…」
「先は続くっすね」
「この先は全くの未知、隊長撤退しましょう」
「よし撤退する、後方は私が前方はヒロがリュウは遊撃として行動してくれ」
「了解!」
特に危険と言う事は無いのだが、何故か我らはピリピリとしていたのだったそしてそれは現実となった…
ウォォォー!!!
「な なんすかっ!」
「ヒロ後ろだ、位置を私と交代しろ、リュウ初撃は任せたぞ。ヒロ敵の確認を急げ!」
「隊長、虎の化物っす口から長い牙が2本生えてるっす」
「サーベルタイガー?!」
「隊長知ってるんですか?」
「リュウ説明は後だ、いいかサーベルタイガーには絶対背中を見せるなよ、背中を向けたら飛び掛かってくるからな」
「隊長は虎の眼を狙って下さい、ヒロは虎の足元をやってくれ。俺は腹をかっ捌いてやる!」
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