第23話 コリンズ鍛冶店

「コリンズ殿宜しくお願い致す。我らの戦力を底上げする為にも耐性装備は必要なのです。」


「大丈夫だよ隊長さん、俺は田舎の鍛冶屋だが腕は大都市の有名鍛冶職人にも負けない自信はあるからよ!」


「もうあなたったら大きく出過ぎよ…」


「我らは装備に関しては素人故にコリンズ殿に全てお任せ致します。」


「今のところ腕輪か指輪かって所だな、まぁ任せてくれセシル隊長」


「お願いしますコリンズ殿、それとうちのトラを宜しくお願いします。がさつな男ですが大工の腕と体術は天下逸品です。」


「まったく、ついこの前までは帝国兵に追われてこの村も終わりかと思ったが、今度は娘の幸せに悩まされるとわな、人生わからんもんだな。」


「私もですよ、まさかトラに思い人が出来るなどとは…ハハハ」


「隊長さん、娘にはトラさんは勿体ない位良い方です、娘を、娘を宜しくお願いします。」


「こちらこそお母さま、トラを頼みます。」


「あーめでてぇ、めでてぇ今夜は酒だな、隊長!トラさん連れて来てくれ、祝い酒だ!隊の全員連れて来てくれ。今夜は娘とトラさんそして仕事の受注祝いだぁ!」


祝宴は遅くまで行われ、トラさんを祝う歌をヒロが披露し一同が感動のあまり涙すると言うハプニングもあったがそれはそれは楽しい時間となったのだった。そして更に一夜開けた明くる日…



「出来たぜ隊長!異常耐性の腕輪だ、ただ気をつけてくれ全ての異常を防ぐわけじゃねぇ、強すぎる異常には耐えらんねぇ、そんときゃ腕輪が壊れる」


「大丈夫です、今の我らに必要な物です。ありがとうございますコリンズ殿。」


「後これはトラさんに渡してくれ、腕力増加のグローブだ。トラさんにゃ死んで貰う訳にゃいかねぇからな!」


「コリンズ殿…感謝致す。」


「トラさんは魔獣を体術や戦斧で戦うのだろう?このグローブがあれば今までよりも威力は上がるからよ。」


「コリンズ殿が自らお渡しはせぬのですか?」


「よせやぃ!鍛冶屋がただで商品渡したら破産も良いとこだろ、隊長さんよたのんだぜ!」


「分かりました、必ずやトラに渡します。」


こうしてコリンズ殿の鍛冶屋を後にし帰りの道すがらもたくさんの村人からありがとうや頑張ってと声を貰うセルシは改めてこの村を守らねばと心に誓うのだった、そしていよいよ目指すは…


「ただいま、トラこれをコリンズ殿から預かった。腕力増加のグローブだそうだ、分かるなその思いに報いる為にも死ねんぞ。」


「はい!」


「そしてこれは発注していた異常耐性の腕輪だ、全員分ある付けてくれ。でだ今後たが帝国兵は暫くは動かんだろう、ヒロの報告や転移で退却した事などを加味しても当分は安心だ。だから俺達はコルセア様との約束を果たすためゴーゴン山へ行こうと思う。だが村の守護も俺達の領分だ、そこで隊を分ける事にした。先ずはゴーゴン山へ行く隊は俺とヒロ、リュウで行く。村の守護はトラ、ガイル、リアナに頼む。異論はあるか?」


「リュウ殿頼んだぞ。」


「あぁリアナ」


「本当は俺も行きたかったが…村の城壁はもう少し掛かるからな、仕方ない隊長村は任せてくれ。」


「マジックバックを隊長に渡しておきます。この中に倒した魔獣やら宝箱は入れて下さい。」


「村の守護隊は留守の間頼むぞ、帰りはゴーゴンの3姉妹を連れ帰る予定だ、その為の施設もトラ頼むぞ。」


「オスっ!任された。」


「後は神様からコルセア様の鏡を受けとるのみだな」


我らは止まらない。その先に何が起こるのかは正直分からない。だがそれでもセルシ隊としてアスラ神様の使徒として成すべきを成すのだ。






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