第10話 ゴーゴンの三姉妹

「さて、今後の行動だがガイルこの辺りの地形を分かる範囲で教えてくれ。」


「はいっ まず原始の森の南にはゴーゴン山と言う大きな山があり、ヴァルナ川の源流があります、そして川は帝国へと流れ帝都ノールまで流れております。ゴーゴン山にはゴーゴンの三姉妹と言う化け物が居ると言われミスリル鉱山であろうと言われているゴーゴン山の調査の為何度も調査隊がノールマン帝国 クリーク王国両国それぞれから出されましたが誰一人として帰っては来なかったと言う恐ろしい地であります。東西は何処までも広がるこの原始の森があり遥か彼方に海があるとの事です。」


「なるほど、では進むには北上し名も無き村へと向かうしか今のところないと言う事だな。」


「ですが北上してもヴァルナ草原では未だ紛争が続いておる模様ですし村まで行ってもノールマン帝国、クリーク王国両国へ行くのは得策ではないと思います。」


「だが森に籠るのも得策ではないと思うっす。」


「隊長、一先ず名も無き村まで行って見ませんか?後はそれから考えましょう。」


「それもそうだな、ガイルそれで構わないか?」


「俺は礼も言わねばならぬので是非ともお願いします。」


「決まったな、3日後名も無き村へ出発とする、ガイル、トラ食糧は頼んだぞ。ヒロとリュウは俺と戦闘訓練だ 以上」


「なぁガイル… そのゴーゴン山だったか? 三姉妹ってのは本当に居るのか?」


「あぁ居ると言うのが定説になっているがどうしたトラさん?」


「いやな 俺達の世界にもゴルゴーンの三姉妹って神話があってなそっくりだったからよ」


「ほうトラはギリシア神話にも詳しいのか?意外だな」


「いやね姉貴が好きでして昔よく聞きましたよメデューサの話をね」


「なるほどな、意外とこの世界の話を地球に来たこの世界の者が広めたかもしれんな。」


「で話を聞いていていつも思ったもんですよ、女神に嫉妬されて化け物に変えられる三姉妹なんて、しかも英雄に殺されてしまうんですぜ?余りに可哀想過ぎやしませんか?」


「トラは優しいんだな、だが俺もその意見には賛成だ、呪われているならその呪いを解いてやりたいもんだなってね。」


「呪いは通常なら教会の解呪の聖歌って魔法で解けるらしいが、それを行える者は聖女様だけらしいからな、難しいだろうぜ。」


「こんな時神様が力貸してくれんかねぇ、おぉーい神様ぁ頼むからよ力貸してくれぇ」


「トラ…お前失礼過ぎやしないか?かりにも神様だぞ」


「だけどよ、何とか助けてやりてぇじゃねですかい」


「…なんか呼んだかの?」


「はぁ?神様すか?本当に?」


「まぁ今更じゃな、お主らをこの世界に招待したのはわしじゃし、会うのも2度目じゃろ」


「ところで神様、そのゴーゴンの三姉妹ですが本当にいるのですか?」


「居るのぉ… 美しい姉妹じゃったがその当時居た 破滅の魔妖女王と呼ばれた ゼルノスカヤ に生け贄に捧げよと言われそれを拒否したが為に三人共に魔獣へと変えられてしまったんじゃ、それだけではない三姉妹のメイド達や執事迄もが魔獣へと変えられたのじゃ、長女のステノは男勝りの騎士じゃったが今はリビングアーマーへと変えられておる、しかもかなりの強さじゃ。次女のエウルは知謀の人とかつては言われ政治、軍事共に男であったならと言われた英傑じゃ、今の姿は1つ目の悪魔バグ ベアードとなっておる。三女のメデスじゃが己の姿を見たものを石化してしまう魔眼と毒蛇の頭髪を持つ魔物へと変えられたのじゃ。」


「なぁ神様…俺はガサツだし、神様にも失礼な態度や行動しかしてこなかったがよ、そのゴーゴンの三姉妹を助けてやりてぇんだ、地球のギリシア神話では殺されてしまうからよ、助けてやりてぇんだ、頼む何か方法はねぇのか?俺達の仲間も同じ気持ちなんだ」


「…あやつらの強さはそれぞれの強さだけに他ならず、月の女神 コルセアの加護に寄る所も大きいのじゃ コルセアは我が副神じゃが、魔妖女王ゼルノスカヤに協力せし人族が少なからず当時おっての…コルセアは自分の眷族を貶めるこの暴挙を未だ許しておらぬ、そしてかの山はコルセアの加護の地、立ち入る者はゴーゴンの三姉妹と三姉妹の従者が変えられた魔獣らに殺されても文句は言えんのじゃ…解呪は何度か試したらしいが全て徒労に終わった…そもそも呪いの全容が分からねば解呪は出来ん、全ての呪いを一気にホイホイ解くような便利魔法などないんじゃよ…」


「神様お聞きしても宜しいでしょうか?」


「どうしたかの?セルシ君」


「直接目では見てはいけないのであれば地球のギリシア神話の様に鏡や盾に映す方法もございます。ギリシア神話ではそれで倒した様ですし、そこでですが鏡や盾にゴーゴンの三姉妹の呪いが何であるのかを映す事は可能でしょうか?」


その時だった、突然神様の横に髪の長い一人の女性が現れたのだった。


「創世神様遅くなりました…久しぶりの外なものでつい…」


「よいよいコルセアそなたの関わる話じゃ、そして善き案も今しがた出たばかりじゃよ」


「本当ですか!?創世神様!!」


「セルシ君その鏡はわしが用意しようそして鏡には解呪の神気も附与する、これはのうせめてもの償いじゃあの三姉妹を今まで救えなんだ我ら神の償いとして 神器コルセアの鏡 は後日セルシ隊へと渡そうぞ」


「創世神様…!私は私は何とお礼を申してよいのか…ウゥゥゥ…」


「泣くのはまだ早いぞコルセアや ゴーゴン山へはセルシ隊に向かって貰わねばならぬ、そしてなによりコルセアの鏡にて三姉妹と従者らの姿を映し出して貰わねばならぬのだ。映し出しさえすれば呪いの類いは種別が判明するのじゃ、さすれば後は附与した解呪の魔法にて彼女らは救われる、わかるなコルセア。」


「はいセルシ隊の皆様月の女神コルセアでございます。この度は我が眷属の三姉妹らの救援に感謝致します。皆様は既に創世神様の加護が、ある故私の加護は重ねては附与出来かねますが、せめてもの気持ちを受け取って下さいまし。」


それはスキルと言う物だった。セルシ隊長は風の魔法をトラ先輩は雷の魔法をガイルさんは火の魔法、ヒロは水の魔法を授けられた、そして俺は…


「リュウさんは魔獣使いのスキルを授けます、いつの日か友誼を深め共に在りたいと願う魔獣が現れるてしょうその時は我が加護をその魔獣に授けましょう。」












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