不遇な魔法適性が世界最強の力になる

ウグメ

 プロローグ

フォルン=ノルザ 10歳


僕は今、テリナーフ=イッペコール帝国の帝都キャンベラの魔協会の中庭にいる。

魔法適性診断中だが、この場は静まり返っていた。

この時全員が思っていたのは、、、


「「「「「何だ!?この色は!?」」」」」

だった。

そしてこの後、魔協会の職員が言った一言でこの場の全員(僕を除く)が一斉に僕を見てきた。


「な、、、何この色?」


そして見られている僕も何が起きているのか分からなかった。


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今日は全世界の10歳児が待ち望んだ日だ。

それはがあるからだ。

それは僕も変わらないのでとてもわくわくした気持ちで自分のベットから飛び起きる。

そのとき、扉がノックされる。


「おはようございます、フォルン様。珍しいですね、ご自分から起きているなんて」


「当然だよ、だって今日は魔法適性診断の日じゃないか!チナは待ち遠しくないのか?」


「当然待ち遠しいですが、それよりも仕事がありますので」


「そうなの」


僕の部屋にノックをして入ってきたのは、専属メイドのチナ=ミタマだ。

彼女は朝の目覚ましモーニングコールをしに来ている。

ちなみに、いつもなら僕はまだ寝ていて彼女が僕を起こす。

だからと言われた。

僕は着替えをすました後、自分の部屋からリビングに向かった。

階段を降りているとき、チナが


「フォルン様の親御様も期待していますよ、どんな色に光るかと」


「まあ、父上も母上も3色以上だったからな~、これで僕が一色だったりしたら驚くんだろうな」


「そんなことは無いと思いますよ、魔法適性は遺伝するといわれてますから」


「でもその説は証明されてないだろ?だってチナの親は1色だけど、祖父は3色持ちだったろ、まあ金色光属性だったから僕の親の執事をしてるんじゃないか!」


「確かにそうですが」


「まあ、お腹がすいてるから早く食堂に行かないと」


「あっ!廊下を走らないでくださいフォルン様!」


僕がいきなり走り出して食堂に向かったから、チナが大声を出して制止させようとするけど僕は止まらずに階段まで行って手すりを滑って降りる。


『やめなさい、フォルン』


「えっ!?」


普通の声とは優しそうな女性の声が僕に聞こえた瞬間、僕の体が動かなくなってしまい手すりから着地した姿勢のまま停止してしまう。


「母上!いきなり即興改変した魔法で僕を止めないでよ!」


「いくら今日が楽しみだからってはしゃぎすぎないのよ」


「ちぇっ、わかったよ」


僕は体が動くようになってすぐに母上、テスファ=ノルザが精神操作魔法で僕の体の操作権限を奪ったことに対して怒った。


※蛇足だが、母上(テスファ=ノルザ)は治癒魔法と土魔法、風魔法の適性を持っていて、精神操作魔法は治癒魔法の中でもかなり高度な術である。


僕は母上に怒られた後、食堂に歩いていく。

家は貴族だが、普段の食事などは格式を気にしていないのでパンを手に取って食べていた時、父上(シャクジ=ノルザ)が食堂に入ってきた。


「フォルン、今日は大切な日だ。今日の魔法適性診断で貴族の跡取りの格が決まる。だから貴族として恥じないような適性を見せてくれ」


「もし、普通の色じゃなくて突然変異の色だったらどうなの?」


「その時はその時だ、だが今まで突然変異の色は帝国の歴史の中でも1~2人だから出ることは無いはずだ」


「ふ~ん」


そんな会話をした後、僕は黙々と朝食をとった。



朝食後~


自分の部屋に戻った僕は服を着替えて家の前に立っている馬車に乗る。

馬車の中は席が対になってあり、二人ずつ座れるようになってあり

僕の隣にチナ、反対側に母上父上が座っている。

ちなみにチナの父(父上母上の執事)は馬車を運転している。


「楽しみだなぁ~魔法適性診断!しかも終わった後の月から魔法学園ギョルナ=クジャルに行けるんだし!」


「そうですね、フォルン様。僭越ながら私もフォルン様の親御様のおかげでギョルナ=クジャルに登校させていただきます。学園でもフォルン様のメイドとして頑張らせていただきます」


「学園だったらそんな堅苦しくなくていいからね!絶対だからね!」


「わかりました」


そして十数分後、テリナーフ=イッペコール帝国の帝都キャンベラ内の北区の魔協会に着いた。


帝都キャンベラは北区、西区、東区、南区の四つに分かれてあり、北区は国王が住む城が建ってある貴族たちなどの裕福な者たちが暮らす地域で、

西区、東区は商業地区で職人や商人が暮らす活気盛んな地区

南区は平民が暮らす地区だが、スラム街が南区の南西側に出来上がっており、その治安が問題視されている。

魔協会はその地区ごとにあるが数はバラバラで北区は1つ、西区東区は2つずつあり、南区はあまりにも住んでいる人が多いため6つもある、僕は貴族の跡取りだから北区の魔協会に来ている。

だから、ここで同年齢の跡取りたちの魔法適性が分かるから大人たちはいかに娘息子が素晴らしい魔法適性を出すかと期待している。

が、子供たちはそんなことは知らず仲良く

「自分は何色が出るかなぁ~」

と言うことを喋っている。


「魔法適性診断を行います。呼ばれた順番に並んで行ってください」


魔協会の職員が魔法で拡声した声で言うと、僕を含めた皆は一斉に黙って並んでいく

ちなみに順番は魔協会に入るときに自分の身分証明をしているので名前順だ。


「アルン=クラウディス!」

「はい」


並び終わったら、前から順に呼ばれて行き真ん中に設置されている魔宝玉に触って魔宝玉が光った色で分かる。

魔宝玉は直径3メートルほどの巨大な球でどの国も持っている特別な鉱山から採れる魔宝鉱石を一定量集めて特別な儀式を行うと出来上がる。


「最初は何色かなぁ~?」


僕は列が魔宝玉を中心として円のように並んでいるので最初の人が触るのを待っている。


「わっ!」


魔宝玉を触ったアルンが声を上げた。

光った色は赤と白の2色だった。

大人たちは、


「まあ、貴族だから当然だな」 「赤と白か、近接特化な魔法適性だな」

などを口にする。


そして順調に魔法適性診断は進んでいき、チナの番が来た。

ほとんどの人が2色に光り、3色に光る人がでると大人たちがざわめいていた。


「チナ=ミタマ!」

「はい」


チナが魔宝玉に触れると、緑色風属性金色光属性白色強化銀色治癒属性に光った。


ざわざわ、、ざわざわ、、、

場がざわめく、、、大人たちは


「なっ!4色だと、、、」 「4色!?」 「まさか、、、」


との反応を示し、魔協会の職員もみんな黙ってチナを見ている。

この場にいる全ての人に注目されているにもかかわらず、チナは自分の適性が分かったら、さっさと魔宝玉から離れて、職員に次の人を呼んでください。と言って待機場所に行く。


「チファ=ソノベ!」

「は、はい」


職員が次の人を呼んで、その場の雰囲気が直る。




そして、遂に僕の番だ。


「フォルン=ノルザ!」

「はい」


僕が魔宝玉に触れ光った色は、、、だった。


「「「「「何だ!?この色は!?」」」」」


「えっ!?何この色、、、」

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