第4話 もう絶対に逃がさないからね?
◇◇◇
その後ミレーユは無事アンリと結婚式を迎えた。いつ豹変して教会のてっぺんから突き落とされるかとドキドキしていたが、皆に祝福されながら式を終えたとき、あまりの安心感から号泣してしまったほどだ。
バッドエンド回避のために走り回ると言うこともなく、ただただ幸せな結末になったことに首を傾げつつ、アンリの胸に顔を埋める。これからは優しい兄のようなアンリと共に穏やかな人生を送っていけるのだ。あのゲームのアンリと現実のアンリは別人に違いない。そう信じることにした。
「アンリにーさま……」
「おや?だめだよミレーユ。もうにーさまは止めておくれ?」
「いけない。私ったら……」
「アンリだ。そう呼んで?」
「アンリ様」
「その呼び方はやめてくれ。あのときのことを思い出すから」
「アンリ……」
アンリは満足そうに頷くと、ミレーユに深く口づけた。初めての口づけのあまりの激しさに目を白黒させるミレーユ。誓いのキスですらおでこにチュッだったのに!?
「んー!んんーーーーー!!!」
「ああ、ミレーユ。この日を待ってたよ?もう、僕のものだ」
アンリから立ち上るヤンデレオーラ!
「絶対に逃がさないからね?」
こうしてミレーユはヤンデレ王子に身も心も愛され、とろかされ、すっかり骨抜きになってしまうのでした。
おしまい
ヤンデレ系乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢だけどなぜか婚約者に溺愛されてます! しましまにゃんこ @manekinekoxxx
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