第5話 くるはの朝は早い
現在時刻は午前6時半。
今日はいよいよなっちゃんと二人で旅行に行く日。
「そろそろ起きなきゃな…」
そう呟くとくるははベッドから重い腰を上げた。
*
6時50分。エプロンを身にまといキッチンで朝食の準備をする。
「そろそろかな…」
すると、玄関のドアが勢いよく開くと同時にあの人が姿を現す。
「おっはよ~!!!!!」
「おはよ、ご飯できたけど…どうする?」
すると夏樹は満面の笑みを浮かべ。
「もちろん食べる~っ!!!!」
するとくるはは嬉しそうにキッチンから二人分のオムレツとサラダを盛りつけたお皿と焼きたてのフランスパンを入れた持ってくる。
「うまそうっ!!いただきまーす!」
「どうぞ~」
夏樹はナイフとフォークをもちオムレツを半分に割る。
すると中からトロトロと半熟の卵が流れる。
「めっちゃふわふわやんっ」
と、どんどん平らげていく夏樹に。
「なっちゃんはいつも私が作ったご飯を幸せそうに食べてくれるな~」
「だって美味しいんやもんっ」
夏樹は口の横にパンくずを付けて幸せそうに笑う。
*
「ご馳走様でしたっ」
「お粗末様でした」
キッチンで後片付けをしていると夏樹がひょこっと横から顔を出して。
「なんかいつもより綺麗よな~大掃除でもしたん?」
「ちょっとね」
と笑うくるは。
だって、もしかしたらもう帰らないかもしれんけんね。
この旅が私たちにどう影響を与えるかは分からない。
でも、きっと私たちなら大丈夫。
なぜかそう思えたのだった——。
君と私の終末二人旅 くるまる @kurumaru
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