ラスト

私の人生は汚れてたと言えば

汚れてたのかもしれない。

雪はそんな私でさえも

純白に塗り潰し白しか存在することを

許さないように絶え間なく降る

溶けては振り溶けては振りを繰り返し、

まるで、諦めることを知らないかのようだった。

時間が経つにつれ、

次第に足が重くなる、彼にも、限界が来たようだ。

今まで寒いと思っていたが雪が、

不思議と温かく感じた。

私は最後を感じ諦めかけた、、その時

思い浮かんだのは妻の姿だった。

男は朦朧としながらも震える自分の手を握りしめ

持てる力を振り絞り

「た、助けて」と、言葉になってたのかは

分からないが彼の中では確かに言った。

微かに温かさを纏った息だけが空に向かって登っていく そこで彼の目は閉じた。次に目を開いた時は、

雪が全て溶けそこには、妻が立っていた。


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冬の景色 クースケ @kusuk

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