015 『生粋のマザコン』
「ぷっ、あははははははははっ、君は本当に面白いな、
「お前が永遠の命だかなんだか知らないが、そんなの僕には関係ない、早く紅葉合わせをしてくれ」
「古風だな」
そう言って、
僕の首筋の辺りに、ふっと笑った吐息が吹きかかった(息までいい匂いだ)。
同時に、
もっとも美しい髪色という定義は、人によって
だけど、この髪を見ればその答えは皆同じになることだろう。
完璧な人類。究極の生物。永遠の命を持つ存在。
だが。
だから、なんだ。
そんなの僕には関係ない。
「まさか、永遠に生きるから僕が死んだ後、その別れが寂しいから付き合わないとか言わないよな」
「そんなの、とっくの昔に割り切ってるよ。私にとって、
それは、母さんの名前だ。
いや、結婚したら
うわ、仕組まれてるとしか思えない。
「ふっ、好きな人が母親と同じ名前になるなんて、君は生粋のマザコンだね」
「おい、そんなこと言って変に誤魔化すなよ、僕は告白の返事をまだ聞いてない」
「ああ、そうだった、そうだった、もちろん好きだよ、この好きは手を繋ぎたいの好きで、ちゅーをしたいの好きで、エッチをしたいの好きだ」
「なら––––」
「だが、今話したのはまだ話の半分でしかない。姿を見せない理由は話したが、失踪した理由はまだ話してないだろ?」
「……まあ、確かに」
そうか、姿を見せない理由と、失踪した理由は別々だったのか。
僕はそれは同じ理由だとばかりおもっていた。
考えが浅い。知ってるよ、ちくしょう。
「さあ、二回目のお話だ。この話を聞いた後に、再びまだ私の事が好きかどうか問おうか」
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