015 『上終先輩の神対応』
エピローグ的な事後報告。
「結局、今回は
相変わらずのですわ口調で、相変わらず僕の母親の姿をした
「普通、睡眠薬を盛り、逆レイプしようとした相手をデートに誘いませんわよ?」
「それはまあ、そうだけどさ……」
「それともやっぱり
「断固否定する」
それは絶対にない。ないないない。
「まあ、草壁も切羽詰まってたんだろうし、僕も草壁との距離感とか、そういうのが近過ぎたって思うよ」
当たり前のように隣に座って、当たり前のように0距離で接触していた。
「そういう、100%相手が悪いわけじゃないという考え方は間違いだと指摘したい所ですが––––裸でウロチョロするのがどれほどいけないか分かったというのなら、今回は学ぶべき所はありましたわね」
「いや、怪我が治ったら自分の部屋に戻るから、別に良くない?」
「人前で」
「
そして、もうこの話は終わりと言わんばかりに、話題の転換を図る。
「それにしても、
すごい言われようだった。
てか、何? ドMオッパイ星人はもう確定なの? 新しく加わるのは確定なわけ?
「挙句の果てには、ハーレムなんてわたくしは許しませんわよ」
「バカ言うなよ、男が幸せに出来る女性は一人だけだ」
「あら、たまにはいい事をいいますわね、このマザコンドMおっぱい星人さんは」
確定だった。
新しい称号を手に入れたわけだけれど、全然嬉しくない。もしも称号を自分で設定出来るタイプなら、永遠に選択することはないだろう。
まあ、ハゲって言われないだけマシか。
なーんて考えていると、
知っている。この顔は知っている。
これは
「
「おい、なんで言い直した、最初のやつで合ってたぞ」
ほーら来た。ほーら、言った。こいつ、絶対に触れてはいけないことを言いやがった。
……まあ、いいけどさ。腕を骨折して以降、
僕で溜まったストレスは、僕で発散してくれりゃあいい。
ふと、
「懐かしいですわね、坊主の
「……まあな」
僕はここに来る時に髪を丸めた。
体育会系らしく。
悪いことしたら坊主だ。
それに、髪は僕の超能力の"代償"でもあったので、強力な超能力を持つ僕を見張る
金髪に染めた髪を一度リセットする意味でも、丁度良かったしね。
「でもまさか、あれほど大事にしていた髪の毛を、草壁さんにハッタリを効かすためだけの"代償"にするとは思いませんでしたわ」
「僕は髪なんかより、草壁の方が大事だ」
あのハッタリは、絶対に必要だったと思う。
草壁は自分のやったことの重さを知り、前に進むべきだと思ったから。
人生のいいところは、やり直しが効くところだ。
僕も今やり直してる最中だしね。
「じぃー」
「そんなに見るな、照れるだろ」
「確かにテカッてますものね、周囲を照らしてますものね」
「おい」
機嫌悪過ぎませんか、
でも真面目な話、頭を洗わずに済むので、
「冗談はともかく、わたくしとしましては
、
「そうか?」
短いというより、ないけどな。ナイカミハーゲだ(全然面白くなかった)。
「だって髪が長いと、顔立ちが整っていますので、女の子みたいに見えてしまいますもの。もしかして、女装趣味とかありますの?」
「頼む、これ以上変な属性を付け足さないでくれ、僕という人間像の崩壊が始まってしまう!」
マザコンドMオカマおっぱい星人とか、呪文より長いぞ。唱えたくない。
ただ、腕が動かないから散髪も出来なかったのは確かだ。
最近、自分の髪は自分で切っている。
ちょっと前までは、
眉上デコ出しとか、ありえないだろ。
「ところで––––どうするつもりですの?」
「何がさ」
「草壁凛子ですわ」
「だから、どうするって何がさ」
今回も
母親の姿から、草壁の姿になり––––ニッコリと微笑む。
「
「…………」
そうなんだよなぁ。
今更感あるけど、僕草壁にも惚れられちゃったんだよなぁ。
まーた惚れられてしまった。
惚けたくもなるわい。
「まあ––––腕が治って、車が運転出来るようになったらさ、その辺適当に連れていくよ」
「デートですわね」
「そうだな」
そういう意味でもあるけれど、しばらく外出してなかった草壁のリハビリの意味でもある。
草壁はなんと引きこもり生活が長過ぎたおかげで、外に出るのが嫌だとゴネ出してしまった。
当然、授業にも出てない。状況は全く変わってないといえる。
ここで変に甘くしてしまうと同じ過ちを踏みそうなので、僕も心を鬼にして草壁を外に連れ出そうと思う。
でも草壁も変わり始めてることだし。
これはきっと。
時間が解決してくれるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます