武具百景の神崎ひなた
藤原埼玉と神崎ひなたの対決は藤原埼玉の一方的な展開が続いていた。
「Mk45 5インチ砲。ゴォレンダァーーー!!!!」
戦艦砲が放たれる。しかし、結果は同じだ。藤原埼玉に近づくと弾丸は動きを止め砕け散った。
何か起死回生の一手はないかと神崎ひなたは辺りを探る。そこに現れた観衆がいた。
「ゴッッド!ザァキーー!グレネードを受け取れ!!」
放り投げられたグレネードを受け取るも神崎ひなたは逡巡した。今なら勝てる可能性はある。しかし、それは神崎が望む決着ではない。
「ひなたん。ひなたん。ひなたん。ひなたん。ひなたん。ひなたん。ひなたん。ひなたん。ひなたん。ひなたん。ひなたん。楽しいよ。ひなたん。」
藤原埼玉は壊れたラジオのように神崎の名を繰り返し呟く。それを聞いた神崎ひなたは堪忍袋の緒が切れた。
「終わらせてやる!」
神崎ひなたは受け取ったグレネードを藤原埼玉に向けて撃ち込んだ。
グレネードは藤原埼玉の前で動きを止めた。しかし、そこに火炎放射が襲いかかる。この炎に誘爆したグレネードは辺り一面を砂ぼこりで覆い尽くした。
藤原埼玉は生き残っていた。爆発のエネルギーですら止める事ができる。ただの目眩まし意外の効果はなかった。
砂ぼこりが晴れようとしていたその時、カーン、という空き缶が蹴られた音が鳴る。
勝者、武具百景の神崎ひなた。その決着は呆気ない幕切れであった。
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