無敵のビックオーガスvs鉄山靠のリュウホージュン
今大会最注目カード。無敵のビックオーガスvs鉄山靠のリュウホージュンは採石場で向かい合っている。
Dr・ストレイセンが開発した巨大人型ロボット、ビックオーガス。30メートル以上の体躯とジェットエンジンを搭載した事による高速移動を実現した究極兵器である。
対する鉄山靠のリュウホージュンは、歴代最強の八極拳の使い手である。その伝説は枚挙の暇がない。第二回缶けり世界大会において、最新式の戦車を一撃のもと粉砕した事は記憶に新しいだろう。この男の拳の限界は本人すらも把握していないという。
無敵のビックオーガスはドラム缶に入った ジェットオイルを飲み込む。大会規程により経口摂取が義務付けられている。ビックオーガスは機械仕掛けの口を開きジェットオイルを流し込む。一方の鉄山靠のリュウホージュンはウーロン茶を飲んでいる。
飲み終えると両者は空き缶を自陣へと置いた。パン!と空砲が鳴る。試合が始まった。
ビックオーガスは噴出口を調整し一直線にウーロン茶の空き缶へと向かう。無敵のビックオーガスの前にはビル群ですら障害物にはならない。
ふっふっはー、ふっふっはー。
鉄山靠のリュウホージュンは呼吸を整え丹田に気をためると、空高く飛び上がった。軽気功だ。体を軽くする気功術であるが、ここまでの錬度のものは誰も見たことがない。ビックオーガスのさらに上に舞い上がったリュウホージュン。
ズドン!!!
八極拳歴代最強の男の震脚がビックオーガスに炸裂した。加速したビックオーガスの動きを止め、膝を着かせた。
リュウホージュンはビックオーガスの背中に移動し構えをとる。はぁー。と大きく息を吐き呼吸を整えた。丹田に再度気が溜まる。
「八極拳士の2擊目だ。誇れ、ビックオーガス。」
リュウホージュンはビックオーガスの背中に拳を撃ち込む。ドォカン!!!と強烈な破壊音と共に、ビックオーガスの上半身と下半身は分かれて崩れ落ちた。
守り手がいなくなった空のドラム缶はリュウホージュンの手でそっと倒された。勝者は鉄山靠のリュウホージュン。歴代最強の八極拳士に壊せぬ物はない。
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