第57話  飛来




 オリヴィアは魔物の大群と戦い、その日の終わりにマルロの屋敷へ赴き、使い魔の皮を被ったリュウデリア達にたらふく料理を食べさせた翌日、ギルドへ来ていた。人は少ない。全部で100人弱居た冒険者の約半数である40人余りが、魔物の大群との戦いで殉職したからだ。


 それに加えて重傷者の人間も居たので、診療所で入院している者も居る。つまりここに居るのは軽傷で済んだか、重傷者ほどではないがベッドを空けさせる為に自主的に出て来た中傷者である者達だけだ。あの戦いで無傷だったのはオリヴィアだけだ。


 今日も適当に依頼を受けようと考えて掲示板を見ているのだが、依頼書がかなり減っている。それもそうだ。魔物の狩猟を促す依頼書は殆ど取られている。魔物の大群の中に、討伐対象だった魔物が多く居て、自ずと斃してしまっていたからだ。張っているとしても、今のオリヴィアの冒険者ランクでは受けられないものだ。その代わりに薬草の採取を要請する依頼書が多く張ってある。


 傷付いた冒険者の治療をしていたら傷薬や回復薬が無くなってしまい、枯渇しているようだ。国のために戦ってくれたので治療費は国が賄ってくれるのだが、在庫が無いので診療所はてんてこまいとなっている。仕方ないと溜め息を吐いて、薬草採取でもいいかと聞くためにリュウデリア達を見る。アイコンタクトで察してくれて、小さく頷いたのを確認し、同じ依頼書を5枚千切った。




「あ、オリヴィアさん!!」


「受付嬢か。どうした?」


「どうしたもこうしたもありませんよ!なんで昨日ギルドへ来てくれなかったんですか!診療所直行の人は除いて来るようにと兵士の人から通達されたでしょう!?来ないから死んじゃったのかと思ったんですからね!」


「別に傷を負ったわけでもないから、そのまま帰って夕飯を食べて使い魔達と遊んで寝た」


「マイペース!!マイペースすぎます!無傷なのはオリヴィアさんだけでしたし、ギルドへ来てくれた方々がみんなオリヴィアさんは無傷で一番魔物を斃してたと報告してくれたから生きていると分かったものの、もぉ……心臓止まっちゃいますよぉ……」


「分かった分かった。なにも泣くことはないだろう。それよりほら、受付嬢の仕事をしろ。私は依頼を受けに来たんだぞ」


「うぅ……あ、薬草の依頼を受けてくれるんですか?それも5つも」


「そのつもりだ」


「……助かります。正直薬草が足りないので困ってたんです。他の方々も受けてくれているんですが、まだまだ足りなくて……」




 実は生存確認などをするために、戦いの後は招集を掛けていたギルドだったが、オリヴィアが居ないことに受付嬢が大変焦った。来たばかりでランクも低い女の冒険者であるオリヴィアが、実はとても強い人だと分かって気に掛けていたのだ。女で、それもソロで冒険者をしていると大変だろうから、何かあったら相談に乗ろうと思っていたのだ。


 幸い、オリヴィアの活躍を身近で見ていた冒険者が、彼女は無事であり、それどころか最も魔物を斃していたと教えてくれたので死んでいないということも知れたのだ。無傷なのは知らなかったので内心驚いていたが、安堵の気持ちが大きいので気にならなかった。


 ギルドに来れる人達は薬草採取の依頼を受けているので、もう本当にぽつぽつとしか冒険者は居ない。オリヴィアも薬草採取の依頼を受けると言って5つ依頼書を差し出すと、受付嬢は5つ同時進行の事に困惑した後、助かったように薄い笑みを浮かべた。薬草は今のところ本当に足りないので助かるのだ。




「昨日の事があったのでそこまで魔物は居ないと思いますが、お気をつけて!」


「あぁ。行ってくる」




 手早く受注したという証明の書類を書いて送り出してくれた受付嬢を背に、ギルドを出て行った。大通りを歩いて向かっていれば、魔物が攻めてくる前ほどではないが、住民が出歩いていた。昨日の今日なので、もしかしたらまた攻めてくるのかも知れないと警戒して、家からでない人も居るのだ。


 何時もならば笑い声や子供の遊んでいる声、大道芸人の客寄せの声や、その歓声などが聞こえてくるのだが、今日は静かめなものだ。あまり賑やかすぎるのは好きではないオリヴィアからしてみれば気にしないのだが、休業になっている飯屋があったり出店が無かったりするのを見ると、リュウデリア達が残念そうにしていた。


 何度も通っている門を通り抜けて草原と湖に別れている半々の場所を歩く。兵士も疲れているだろうに、散らばっている魔物の死骸の回収に勤しんでいた。大量の血が流れたので少し鉄臭い。あまりいい気はしないので魔力で肉体を強化し、大きく跳躍する。数歩で約1キロの距離を移動した。


 本来ならばそこまで大きくない岩壁に挟まれた出入り口があるのだが、リュウデリアの弟であるシンの攻撃によって広範囲に崩れていて、正面に於いての岩壁の意味を為していない。完全に崩れている場所以外のところも大きく罅が入っているので、下手に刺激を与えると崩れてしまいそうだ。


 大群が攻めて来ても、通れる者の数を限定させ、少数を相手にすることが出来るようにするための役割も担っていた岩壁がこの有様では、どうぞ大人数で正面から攻めて来てくださいと言っているようなものだ。平和な国である王都メレンデルクは敵視されることはあまりないが、盗賊などといった賊はそんなこと関係ない。


 兵士も疲弊していて、冒険者の人数が大幅に減っている今は絶好の攻め時なので、攻め込まれたら面倒なことになるだろうなと、他人事のように考えていた。そして、そうこうしている内に岩壁よりも外側に出て荒れた地に足を踏み出している。クレアとシンの戦いの余波もあって殆ど何も残っていないので、遠くまで行かねば薬草は無いのだ。


 緑色を探して2キロほど移動すると、リュウデリア達が薬草の匂いを嗅ぎ取って案内してくれたので、4人でせっせと薬草を抜きにかかる。と言っても、3匹は魔力を使って手を使わずに抜いているのでちょっと違う。だが採っていく速度は早いので、これでもかと薬草を採取していく。多いに越したことはないだろうし、金にもなるので無駄にはならない。


 1つの依頼には、何時もより多めの50本採取と書いてあったので、5つ同時進行を加えると250本採ってくることになる。しかし4人でやれば一瞬で、そこらに生えていたものは全て引っこ抜き、恐らく1000本は採取しただろう。もういい頃合いだと相談して、来た道をそのまま帰ってギルドへ……とする前にリュウデリアからストップが入った。




「どうしたんだ?何かあったか?」


「いや、昨日のことで野暮用があったのを忘れていた。なァ?クレア、バルガス」


「あ、やっぱお前等も気づいてた?」


「……彼奴らに……一度会えば……相当なことが無い限り……忘れない」


たぶらかし、けしかけさせたのだ、それ相応の対価は払わせる──────誰であろうともな」


「……?何の話だ?」




 3匹が口を揃えて同意しているのを聞いているだけで、オリヴィアは何の話をしているのか解らなかった。頭の上に疑問符を浮かべて首輪傾げているのを余所に、リュウデリア達はオリヴィアの元から離れて体のサイズを人間大にした。


 リュウデリアが180。クレアが170。バルガスは200。といった具合の大きさになった。それぞれが一番しっくりくる大きさがこれなのだ。両脚で立って肩を回したり屈伸したり背を伸ばしたりと準備運動をし、整うと手の中に魔力を溜め、形を形成して槍の形に変えた。純黒の槍。赫い槍。蒼い槍の3本が揃った。


 何かを撃ち落とすつもりなのかと思っているオリヴィアだが、視界の先には鳥も飛んでいない。何をしようとしているのか解らないのに、投げる方向を確認し合っているリュウデリア達が満場一致で投げる方向を決め、動的のフォームに入って大きく脚を踏み込んだ。




「──────シィッ!!」


「──────ふんぬッ!!」


「──────オラァッ!!」




 放たれたそれぞれの色を持つ槍は、音を置き去りにして遙か彼方まで一直線に飛んでいった。強く踏み込んだ所為で、3匹の足下の地面は粉々に砕けて大きく罅が入っている。薬草を全部採っておいて良かったと密かに思ったオリヴィアに、体のサイズを再び小さくしたリュウデリア達が元の位置に戻る。


 投げた槍が爆発することもなく、何かを撃ち落とす事もなかった。何だったら投擲した瞬間には遙か彼方まで飛んでいってしまったので、オリヴィアには何があったか解らない。何が目的だったんだ?と聞いても気にしなくていいと言われてはぐらかされる。少し気になるが、まあ大した用ではなかったのだろうと考えて聞くのはやめた。大事なことなら教えてくれるだろうから。


 オリヴィアにとってはよくわからない一幕がありつつ、今度こそ王都に帰ってきたら一行は、どこにも寄らずにギルドへ帰ってきた。早めの帰りに受付嬢が相変わらずですねと言葉を掛け、異空間から取り出した薬草を見て嬉しそうな歓声を上げた。




「薬草をこんなに!?いいんですか!?」


「いいも何も、買い取ってもらえないと私が困るのだが。調合なんて出来ないしな」


「分かりました。では、この薬草達は私が責任を持っていただきます。報酬は1つにつき4万Gなので合計20万G。それ以外の約800本の薬草は1本あたり200Gなので……17万8800Gです!全部で37万8800Gですね!ふふっ、薬草の納品依頼でこんな大金渡したの初めてです!」


「まさかこんな金になるとは思わなかったが、それだけ毟ってきたからな」


「とっても助かります!」




 出された薬草をギルド職員が手分けして一束を作り、数を確認していき報酬を払ってもらった。トレイの上に乗った金貨や銀貨を受け取り、リュウデリアに創ってもらった中が異空間になっている袋の中に入れていく。この中に全財産が入っていて、これを更に異空間に仕舞う。つまりスリなんてことは不可能である。


 やはり異空間に繋がっている空間系魔法が珍しいのだろう、受付嬢が大量の金貨が小さな袋の中に納まっていくのを興味深そうにしている。やがて全部入れ終えて口を紐で縛り、リュウデリアが異空間に仕舞うと、受付嬢がお疲れ様でしたと声を掛けてくれた。それにお疲れと返して踵を返そうとすると、ギルドのドアが開いて声が聞こえてきた。




「──────私は王都兵士長のダレルという者だ!ここにオリヴィアという名の冒険者が居ないか確認するために来た!居るならば是非出てきてほしい!」


「……はぁ。昨日振りだな。察するにお呼ばれか?」


「おぉ、居たようで安心した。そうだ、王が是非ということでオリヴィア殿を呼ぶように仰せつかっている。ついてきてくれないだろうか」


「畏まった態度は一切しないが、それでも良いのか?」


「構わない。王やその他の方々にも確認と了承を得ている。その上で来てほしいとのことだ。もちろん、使い魔達も同伴して構わない」


「……まあ、別に今日はこのあと何かやることがあったわけではないから構わない」


「助かる。では行くとしよう」




 昨日名前を聞いてきた兵士長のダレルが、態々ギルドまでやって来て探しに来た。別に隠れる必要がないので名乗り出ると、居たことに安心したようにホッと溜め息をついていた。王の命令で呼んでくるように言われていたのだろう。今日中には見つけようと思っていたようだ。


 受付嬢はダレルとオリヴィアの背中を見ながら、スゴいなぁという感想を抱いた。話していた内容を察するに、一番魔物を斃した事に敬意を払って呼んだのだろう。王直々に褒めるというのは滅多にないことだ。Aランク冒険者を一瞬で倒したりしたので、強いとは思っていたが、とうとう王にまで呼ばれるくらいの人になってしまった。ドアを開けて出て行ったオリヴィア達に、小さく手を振るのだった。


































「──────それで、例のものはどうなったんだ炎龍王」


「そう焦るな雷龍王。例のものならば、つい昨日さくじつ接触した」


「それで、結果は」


「殺された。何の躊躇いも無かった。力も全く通じなかった」


「へぇ……?あなたの力が通用しなかったと。大した力を籠めなかったわけじゃないわよね?」


「水龍王。お前にはこの私が──────そんな無粋な事をするような龍に見えるのか?」


「……ちょっとした冗談じゃない。そうならないで。会議室が燃えて無くなるわよ」




 龍の住まう天空大陸、スカイディア。その一番大きい建物の中にある会議室にて、七大龍王は会議をしていた。内容はあるものの調べもの。その成果を、肩まで金の髪が伸びてライオンの鬣のような風格を醸し出し、鍛えられた肉体を持って腕を組む雷龍王が、不機嫌そうな顔を隠そうともせずに問うた。


 問いに対して簡潔に答えた炎龍王に、今度は女性である水龍王が素朴な疑問を口にした。長い水色の髪に均等の取れた美しい体に大きな胸部がある。美しい貌はふんわりとした柔らかい笑みを浮かべる。だが口にした疑問が炎龍王にとっては愚弄されていると感じたようで、少しの感情の高ぶりに魔力が応えた。


 炎龍王の体の周りが陽炎のように歪み、見えている光景が悲鳴をあげているようだ。置かれて皆で囲んでいる大きな円形のテーブルについた手と接している部分が黒く焦げてしまった。膨大な魔力と熱量は、炎を得意とする龍の中でも最強の炎龍王。その気になれば瞬きをする間に会議室を炎で消し去ることが出来る。


 しかし今はそんなことをするわけにはいかないので、はぁ……と小さく息を吐いて熱を冷ます。腕を上げればテーブルは腕の形に黒く焦げていて、元には戻らず誤魔化すように色を上から塗っても意味を持たないだろう。変えなくてはいけないなと心の中で愚痴ると、会議室に居る龍王が一斉に顔を上げて同じ方向を見つめる。


 瞬間……会議室を目掛けて外から壁を全てぶち破り、膨大な魔力で形成された3本の槍が飛来した。3本がそれぞれ矛先を向けているのは炎龍王だった。真面まともに受ければ王の名を冠する龍ですら無傷では済まない。そこで炎龍王は椅子に腰掛けたまま爪先で床を叩いた。




「──────『煉獄にて現る焦熱の間歇泉』【カルドゥ・リン・ウォロト】」




 炎龍王の前方、その下から活火山の噴火口から解き放たれる赤い溶岩が如く、炎が噴き荒れた。天井を円形に燃やして消し飛ばし、爆発的な熱量が辺り一帯に包み込まれる。他の龍王も自身の魔力で障壁を張っているが、生身で受ければ火傷では済まないだろうと悟らせる魔法だ。


 範囲は狭く、だが入口は本来のものと同程度である炎の間歇泉は大気圏すらも突き破る勢いだった。そこへ飛来した槍が突き進み、蒼い槍が最初に触れて四分の一まで進んで蒸発し、続いて赫い槍が飛び込んで間歇泉の中央あたりまで入り込んで蒸発した。


 残る1本である純黒が触れると、間歇泉は刹那の内に純黒によって侵蝕されて掻き消えた。少しだけ瞠目した炎龍王に変わらずの速度で槍が飛び込み、抵抗も無く腹部へ突き刺さって背中から抜けた。ごぼりと血を吐き出しながら勢いそのままに後ろへと吹き飛び壁を破壊。建物を大きく壊しながら外へと押し出された。


 体を容易く貫通した槍を吹き飛ばされながら引き抜こうと手を掛けるが抜けず、300メートルは追いやられた。そして槍は純黒の眩い光を発して大爆発を起こした。爆煙はあがらず、純黒の魔力がドーム状に広がり、触れるものを全て純黒に染め上げて消し飛ばした。幸い最後に炎龍王が飛ばされたのがスカイディアの湖の真ん中だったのが幸いし、他の龍王を巻き込むことはなかったが、湖に住んでいた魚の大部分が消し飛ばされた。


 凄まじい威力の魔力爆発に、開けられた壁の穴から顔を出して見ている炎龍王を除いた6匹の龍王。風を巻き込んで暴風を煽りながら純黒なる魔力の魔力爆発は小さくなっていき、湖の水が失われた部分を埋めようと激しく揺れて元に戻る。


 炎龍王の姿がない。まさか死んだかと思われたが、湖の水が中央から赤く変色して熱せられ、ボコボコと水泡を出して熱湯へと変わっていく。熱でお湯となった水を超速度で蒸発させながら炎龍王が浮いて出て来る。着ている服は殆ど消し飛び、槍が刺さった腹は穴が開いていて、筋肉質で割れた腹筋にはびきびきと純黒の亀裂が入っていた。


 長くしなやかな赤い髪が濡れていたが、炎龍王の生み出す熱で乾ききり、乱雑な手櫛で掻き上げる。髪に隠れて見えなかった整った顔は深い笑みによって歪められ、赤い瞳は炎を灯しているかのようにギラついていた。




「……大丈夫か?炎龍王」


「腹に穴が開いてるぞ」


「腹に槍が刺さったまま爆発したのに、よく体が千切れなかったな」


「はぁ……炎龍王の熱で湖の水が半分以上蒸発しているわ」




「ふ、ふふ……──────はっははははははははッ!!なるほど……私がのを知っていたのか!はははッ!!つまりこれは警告だな?だがしかし……くくッ。何の抵抗も無く私の肉体が貫かれた……良い魔力だ。傷を負ったのは何時ぶりか……これは本当に──────面白いな」




 炎龍王は笑いながら実に好戦的で獰猛な笑みを浮かべていた。龍王は龍の中で最強の存在。その力は世界を取ったにも等しいもの。その龍王を傷つけたともなれば大罪に等しいのだが、今回は炎龍王が……自身が悪いのだと反省していた。


 そう……リュウデリアに決闘で敗れ、意気消沈して復讐に心を支配された弟のシンを焚き付け、黒い憎しみの炎の四肢と翼をくれてやった。それ相応の魔力を注いで創ってやり、それでどこまでやれるかを試していたのだ。結果は御覧の通り、炎龍王の仕業であると見抜かれ、報復を受けた。


 なにも言わず試した自身に非がある。むしろこれで済んだのだから、あの3匹のことを考えれば生易しいものだろう。魔力で形成された槍は3本。内最初と次に飛来した赫と蒼は囮。本命を撃ち込む為の布石だったのだ。だから態と炎龍王に防がせて、防げてしまう程度のものを造った。それで最後に純黒の槍で防御を無効化。大した連携だ。


 例え魔力を使わずに棒立ちになったとしても、精鋭部隊の力ですら炎龍王に傷一つつけられない。なのにこの状況、戦いを好む龍にとっては空腹で目の前にご馳走を置かれた気分だ。シンを焚き付けて良かったと心から思った。








 炎龍王は騒ぎを聞きつけてやって来た青い顔の精鋭部隊に下がるよう命令を出しながら、この場に居ない3匹の龍を思い浮かべて再び笑った。








 ──────────────────



 受付嬢


 戦いの後にギルドへ集合してもらうつもりだったのに、オリヴィア達が来なかったのでまさかと思って心配した。その後他の冒険者から最も魔物を斃したのはオリヴィア達だと聞かされて安心したが、ちゃんと目で見て確認するまでは不安だった。





 雷龍王


 肩まである金の髪がライオンの鬣のような風格を醸し出し、鍛えられた肉体を持っている。体が大きくゴツい。例えるならモンハンワールドの大団長。みたいな感じ。





 水龍王


 長い水色の髪に、美しい顔はふんわりとした印象を抱かせる。例えがちょっと伝えづらいので、細身で柔らかい雰囲気の女性で、少し胸が大きめな人を想像してほしい。





 炎龍王


 実はシンに黒い炎の四肢と翼を与えた張本人。理由は小手調べをしようと思ったから。倒せないことは分かりきっていたので、この程度の魔力は効くか効かないか?を調べる程度だった。


 しかしリュウデリア達には普通に把握されていて、槍をぶん投げられた。バルガスとクレアは囮でリュウデリアの槍をぶち込むために弱めに創った。本気で創ったら少なくとも防御の魔法は抜いた。





 リュウデリア&クレア&バルガス


 シンの肉体を補っていた黒い炎の正体が、炎龍王によるものだと感じ取った。本当は戦いが終わった後に槍を投げようと思ったが、蟹を食べるのが楽しみで普通に忘れてた。


 槍はリュウデリアの案で、一撃目二撃目の囮作戦はクレアの案。刺した後に魔力爆発を起こすようにするのはバルガスの案。炎龍王はまんまと引っ掛かった。


 勝手に試すような事をしたのだから、これで死んでも恨むなよくらいの気持ちでやった。命令されたらキレて相手殺すタイプ。



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