第2章
第10話 強き人間の子
少年は全身傷だらけの姿で正面に居る、とある存在に剣を構えていた。相手のとある存在というのは、少年の修行をつけてくれている父親ではない。村に攻め込んできた賊でもなければ、自身に何故か目をつけてきた格上の人間でも、人間より優れた力を持っている他種族でもない。
少年が相手にしているのは、龍だった。御伽話にも出て来る伝説の存在。その力は、たった一体で国をも滅ぼすと謳われている、絶対強者である。少年は己の力を過信しすぎた。過信しすぎた故に今こうして窮地に立たされているのだ。仲間が居た。こんな自分に優しく語り掛けてくれる、大切な友人であり、仲間が。
だが今はもう居ない。大切な友人である仲間達は、もう笑いながら話し掛けてくれる事は、二度と無い。温かい光を持った瞳は、白く光を失い、自身の手を握って引っ張ってくれたあの手は、冷たくなって固くなってしまった。もうどうしようも無い。今失ってしまったものは、これから先、冗談一つ言い合うことすら出来ない。
「はぁッ……はぁッ……はぁッ……なん……でッ……何でこんな事に……ッ!!」
「──────■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!!」
少年は震える手で……いや、全身を恐怖で震わせながら剣を強く握り、必死に自身を鼓舞して相手の龍に剣の切っ先を向けている。少しでも気を抜くと逃げ出しそうで、死んでしまった仲間達に背を向けてしまいそうで、自身が情け無くて仕方なかった。
奥歯を噛み締めながら体内に内包する、その歳にしては有り得ない膨大な魔力を練り上げて魔法を発動し、魂の雄叫びを響き渡らせながら向かっていく、純黒の鱗を持つ……黒龍へと。
少年は駆けながら走馬燈のように、自身の送ってきた14年間の人生を思い返した。普通には経験できない、特殊な人生を。
「おぎゃあ……っ!おぎゃあ……っ!おぎゃあ……っ!」
「おーよしよし。元気な男の子だねー」
「生まれた……ッ!元気に生まれたぞレミィ!!」
「はぁっ…!はぁっ…!私達の……赤ちゃん……っ!」
「いやー、この子の魔力とんでもない量だね。あたしは既にこの子の将来が楽しみだよ」
──────うわっ…!何だこれ、どういう状況?え、俺赤ん坊になってる!?……あれ?もしかして俺……異世界に転生してる!?
とある村に住む若い夫婦の間に、新たな命が誕生した。生まれた赤ん坊は母親の女性の胎内に居る時から膨大な魔力を持っており、村の中で魔力を内包する者達は、お腹から感じる魔力に驚きながら、早く生まれるといいな……と、祝福してくれていた。
月に二、三度やって来る商人から必要な物を買い、それ以外では自給自足をしてやりくりをしていたその村は、住人がみんな温かい人達で、元々冒険者だった赤ん坊の両親は、その温かさを気に入ってこの村に移住することを決めたのだ。
移り住んで2年と少しが経ち、生活にも慣れて来た頃に子宝にも恵まれ、何の危機も無く無事に出産された。赤ん坊の両親で夫のガレスとレミィは、我が子の誕生に涙を流しながら喜び合っていた。だがその一方で、愛しい者を見る視線を一身に浴びている赤ん坊……アレクは、普通では考えられない思考をしていた。
──────えっ!?俺本当に異世界に転生したのか……っ!?よっしゃーーっ!!これってあれだろ!?ラノベとかにあるチート持ちで異世界無双するやつだろ!?勝ったぜ俺の人生っ!!
生まれて間もないというのに、まるで普通の男性のような思考回路をし、表では泣きつつ、心の中でこの世界に生まれ落ちた事に対して嬉々としていた。生んでくれた母親のレミィの元へ連れて行かれたアレクは、頭を撫でられたり、手を優しく握られたりしながら眠った演技をしつつ、これからの事について考え始めた。
アレクは所謂、前世の記憶持ちの転生者である。前世は25歳で何時の間にかその世を去っていた。中学生から高校卒業まで陰キャボッチで、何の才能も無く、学歴も並程度だった。高校在学中の就職活動には成功し、いざ社会人として働き始めたと思えば、職場が合わず直ぐに退職。それからは両親に就職はどうするのだと小言を言われながらニートをしていた。
寝て起きたら何時の間にか転生していたアレクは、前世に両親を置いてきてしまった事に少しの罪悪感を抱くものの、転生するまでずっと就職の話をされて鬱陶しいと思っていたところなので、前は前、今は今の人生だと開き直った。
眠っている演技をしながら考える。此処は自身が居た世界とは全く違う異世界である。そして先程赤ん坊の自身を母親の女性であるレミィと、自身を取り上げてくれた妙齢の女性が言っていた事は解らないが、体内に感じる凄まじいナニカから察するに、異世界らしく世界には魔力があり、自身は見事これ見よがしに魔力を持って生まれたようである。
ならば小さい内からやることは一つ。ニートだった前世の時に読み漁ったラノベの転生主人公のように、小さい内から修行して強くなる。先ずはそこだった。そこさえクリアしてしまえば、後の人生の流れは緩やかなものだろう。努力を怠るつもりはないが、人の上に立って魔法や魔術無双をしてみたい。それがアレクの目下の目標だった。
──────よし。やってやるぞっ!俺の人生はここからなんだっ!!
眠った演技をしながら、心の中で気合いを入れた。今度こそ、今度こそは素晴らしき人生を送るために。そうして数日の時が過ぎた。やるならば最初から全力で。赤ん坊の内はまだ歩くことが出来ない。なので出来ることは自然と限られてくる。故に今やれる事といえば、この世界にしかなく、前世には無かった魔力の操作技術向上である。
魔力とは、簡単に言ってしまえばその人の持つ特別な生命エネルギーのこと。無論この世には持って生まれなかった者達も居るのだが、そういった人達とは別に存在するエネルギーのことだ。魔力は魔法を使用される時などに使われる。魔法陣を描いて魔力を流し込み、魔法を行使する。
唯魔法陣に魔力を流し込むだけなのに、果たして魔力操作技術は必要なのかと言われれば、必要であると答えよう。その根拠とは、魔力による身体能力の向上である。魔力を体に纏わせて身体能力を上げたり、攻撃力を上げたり、魔力を纏った攻撃の防御も行う事が出来る。未熟であると、纏わせていてもムラが出てしまったり、ちょっとした拍子に纏わせた魔力を霧散させてしまうことだって有り得る。
それが戦闘中ともなれば、その一瞬は致命的なものになると言えよう。故に魔力操作技術は必要なのである。因みにではあるが、魔法陣も魔力で構築されている為、操作技術が無いと魔法を行使すること自体が遅くなってしまい、結果戦いの勝敗を別けてしまう。まあ、魔力の操作技術が高くて損をする事は無いと考えればいい。
アレクの父親であるガレスは、元々冒険者という事もあって腕っ節に自信があるので、村の外へ出て動物や魔物を狩りに出掛けていった。一家の大黒柱らしく仕事である。その間アレクの母親のレミィは家事全般の仕事である。今は洗濯物を洗っているので、アレクを見ている者は居ない。だが少し声を上げれば直ぐに駆け付けられる所にレミィは居るので、そう大きな音を立てる事は出来ない。
──────……よし。魔力のコントロールの練習をするなら今だな。まずは……この掛け布団を浮かせてみよう。
生まれて数日もすれば体内に魔力と思われる力の輪郭が確り解るようになった。慣れない魔力を使い、自身の体に掛かっている布団を動かしてみる。上を捲って掛け布団から体を出し、今度は真上に向かって浮かせてみる。するとゆっくりとだが掛け布団は宙へと浮かび、下に降ろすように操作すれば、ゆっくりと下に降りてきた。アレクは感動する。今この瞬間、夢にまで見たラノベの世界の魔力を使っているのだと。
だが感動ばかりしてもいられない。レミィは布団を洗っているが、洗い終わって干してしまえば、今度は家の中の家事に移ってしまう。そうなればおいそれとは魔力の操作技術向上の練習が出来なくなってしまう。
アレクは両親に魔力の練習がバレないようにしている。というのも、まだ生まれて数ヶ月の赤ん坊がまるで魔力の練習をしているような光景を見せれば怪しまれてしまうし、気味悪がられるかも知れないからだ。それに、練習してある程度の技術を会得してから、こんな事が出来るんだと見せて驚かせてみたいとも思っている。なので今は色んな理由が有って秘密裏に練習しているのである。
感動しつつ練習する事1時間程。アレクはレミィが家の中に入ってくるまでの間に、掛け布団を上下の移動から円を描く浮遊。そして鳥が飛んでいるが如く、部屋の中で自由自在に掛け布団を動かす事に成功した。たった1時間で赤ん坊が会得したとは思えない技術を手に入れたアレクは、自身の力を客観的に見て魔法に対する才能があると感じた。
これは異世界チートの線が濃くなってきた……と、密かにテンションを上げるアレク。それから足腰が強くなって歩けるようになり、走って遊べるようになるまで、密かに魔力の操作技術向上を謀った。時には見付かりそうになりながらも、子供の体と無邪気さを利用して惚けたり、偶然出来たと嘘をついてやり過ごした。
そうして日常を送ること6年。前世とは違う言葉も文字も学び、少しずつ体も成長してきた事も有り、アレクは父のガレスに剣を教えて欲しいと頼み込んだ。ガレスは魔物を狩る時に剣を使う。というより、冒険者時代から剣しか使った事が無いので、逆を言えば剣しか使えないのだ。後は魔法も使えるが、これは主に身体能力の強化である。
最初はまだ子供のアレクに剣は早いだろうと思っていたガレスだったが、アレクが父のように強くなりたいからと言ってお願いすると、無下にも出来ず教えることにした。自身のように強くなりたいからと言われて嬉しさの余り、即答した訳では無い。決して。自身の子供が可愛くて仕方ない訳でも無い。決して。
「よォしアレク。父さんが剣の使い方を教えてやる。ちゃんと聞くんだぞー?」
「うん!わかった!」
「じゃあ最初は剣の持ち方と足の使い方だな。まずはこうして持って──────」
ガレス指導の下、アレクは初めての剣を握った。真剣でもなく、刃を潰した模造品でもない、木で剣らしい形に作られた木剣なのだが、前世が陰キャのぼっちで、修学旅行で木刀をその場のノリで買ってみるという事も無かった。それに部活はやらず帰宅部だった事もあって、転生するまで木刀に触れたことすら無かったのだ。
新鮮な気持ちで木剣の握り方と、立ち方を教えて貰ったアレクは、その場で素振りを開始した。剣を使っているガレスの息子という事あって、素振りは既に様になっていて、ガレスは少し驚きながらも満足そうに頷いていた。動きのキレは悪くない。寧ろ良い。流石は我が息子だと、少し親バカな事を考えながらガレスは、自身と打ち合ってみようと提案した。
「えっ!?いいの?父さん!」
「良いぞ。アレクが一生懸命剣を振っているのを見ていたら、父さんもやりたくなった。それに実践形式も中々馬鹿に出来ん。アレクは将来すっごく強くなるぞ!」
「へへっ。よーし!父さんから一本とってやる!」
「はっはっは!父さんは強いから、泣いちゃダメだぞー?」
「ふふーん!俺は強いから泣かないもん!」
アレクから少し距離を取って、自身の身長に合わせた鍛練用の木剣を右手で握り、左手で何時でも来いというジェスチャーをした。それを見てから、アレクはその場から駆け出す。その時にガレスは瞠目する。アレクの初速が異様に速かったからだ。普通の子供程度の速度で駆けてくるのかと思いきや、猪のような四足獣の速度で向かってきたのだ。
剣術なんてものは何も知らない。精々今先程教えて貰った剣の握り方と、素振りするときの足の置き場くらいなものだ。故にガレスに向かって木剣を振り上げる動作はまだまだ初心者のそれ。振るときのキレが良かろうと、所詮は握って数分のものだ。
子供らしく直線的に向かってきて木剣を振り下ろす。向かってくる初速の速度に驚きながらも、振り下ろされる木剣を余裕を持って受け止めた。後にガレスは受け止める時、両手を使うべきだったと語っている。その理由は、右手のみで受け止めるには重すぎる一撃だったからだ。短時間に2度目の瞠目。受け止めきれないと判断すると、かち合ったアレクの木剣を逸らして凌ぎ、逸らされたことで下から斬り上げてくる木剣を後方へ下がって避ける。
前髪を木剣の切っ先が撫でる。それを感じながら、今流れるように放ったアレクの二連撃について考えていた。まるで逸らされるのが解っていたかのような、流れる斬り返しだった。木剣を振り下ろし、完璧な逸らしをした。その後、まだ6歳の子供では振り回されるだろう重さの木剣を、地面すれすれの所で急停止させ、斬り上げた。とてもではないが、剣を握って数分の子供の動きと発想とは思えなかった。
解りきっている筈なのに、生まれた時から6歳まで見てきているから当然の筈なのに、打ち合っている相手が6歳の子供なんて優しいものではなく、腕に多少の覚えがある剣士と打ち合っているようだった。ガレスは自然と笑みを浮かべ、冷や汗を一滴額に流した。アレクは将来、自身では考えつかないほどの強さを得るだろう。そう考えると末恐ろしいと思えるし、そんなアレクを是非とも見てみたいとも思った。
だからこそ、こんな所で負けられる訳にはいかないのだ。アレクの才能は凄まじいものがある。神が、天が与えた類い稀なる才能の塊だろう。故に、今のアレクに必要なのは自身の力を全力でぶつけても越えられない、目標とすべき力を持つ壁だろう。
ガレスはもっと愛する息子と剣をぶつけ合っていたいという名残惜しい気持ちをぐっと抑えながら、斬り上げて腹部が無防備となったアレクに急接近した。一度後方へと下がってから前に突っ込むという動作を一瞬の内に行ったガレスの動きは速く、アレクが迎撃のために木剣を戻すよりも早く、ガレスの木剣が殆ど寸止めに近い力加減でアレクの無防備な腹部を突いた。
そしてガレスの木剣の切っ先は、虚空を突いた。驚きに固まることも許されず、ガレスは今出来る一番の動きで木剣を背後に滑らせ、ノールックの防御をした。何時の間にか、本当に何時の間にかアレクがガレスの背後に回り込み、木剣を振り下ろしていたのだ。見ずに木剣を受け止めたはいいが、とてもではないが息子の成長速度が天才の領域に収まるとは思えなかった。
──────我が息子ながら恐ろしい才能だ……。今の動きは何だ?一体どうやって俺の背後に回った?突いたと思ったら次には背後に居た。……まさか身体能力向上の魔法を使ったのか!?
少し大人気ないと解りつつも、力加減した蹴りを背後に放った。何も触れなかったし感触が何も無かった事から、避けられたのだと悟り、背後へ向きを変える。そこには全身を魔力で薄く覆っているアレクの姿があった。魔法で強化したのではない。魔力で簡易的に身体能力を向上させていたのだ。だが逆を言えば、魔法ではなく魔力だけでガレスの事を出し抜いた事になる。
向きを変えたガレスに何時でも突っ込めるように腰を低くして木剣を正面に構えている。まだまだやる気に満ち溢れている、爛々とした目をしたアレクに申し訳ないと思いながら、打ち合いはここまでにしようと提案した。それを聞いたアレクは少しだけ残念そうにした後に木剣の切っ先を下に降ろした。
ガレスはやっと深呼吸が出来る……と、アレクにバレない程度に静かに深呼吸をした。変に心臓が激しく脈を打っている。肉体的にはまだまだ疲れていないのだが、息子の新しい一面を発見した事で……というよりも、その新しい一面がとてもインパクトが大きいので、短時間で立て続けに見たことで精神的に疲れたのだ。
「……ふぅ。アレク、一つ聞いてもいいか?」
「うん!いいよ」
「その魔力の使い方は、誰かに教えてもらったのか?例えば母さんとかに……」
「……んーん?自分でだよ?……俺何かダメだった?」
「いや、大丈夫だぞ!いやー、アレクはすごいな!父さんはもうアレクの将来が楽しみだ!」
「俺ね、昔の父さんみたいに冒険者やりたい!冒険者やっていっぱい人のためになりたい!」
「……そうか。アレクがそう思うなら、父さんは応援するからな」
「ありがとう父さん!!」
自身が昔、冒険者をやっていたと話せば、アレクが冒険者になりたいと言うのではないかとは、薄々思っていた。本来ならばアレクの父親として、危険な事はしないで欲しいと言うべきなのだろう。だがアレクが持つ力の一端を知った以上、おいそれとアレクの夢を否定する訳にはいかない。アレクが持つ力は、個人のために使うには強すぎるのだろう。人のために使い、人のためになる。そういう男になって欲しいと思い、応援すると言った。
父親であると同時に1人の男でもある以上、吐いた唾は飲み込めない。応援すると言ったならば、最後まで応援しよう。自身の夢を応援してくれると肯定してくれたことに喜び、木剣を振り回しているアレクを見ながら優しく微笑んだ。
微笑んでいるガレスとは別に、アレクは心の中で悔しそうにしていた。体がまだ出来上がってないので当然といえば当然なのだが、それでも最後の魔力による身体能力の強化での背面への回り込み、そして間髪入れずの振り下ろしは確実に入ったと思った。本来はまだ魔力の事については話すつもりはなかったが、つい打ち合いが楽しくて魔力を使ってしまった。
ガレスは魔力を使っていない、持ち前の経験と身体能力のみでアレクと打ち合い、アレクは全力で打ち込み、魔力まで使った。それでも一本も取れなかった。だが戦いの中での魔力の使い方はもう覚えた。アレクは今度こそ一本取ってやると意気込みを込めて、手に持っている木剣を強く握り締めた。
数年後、年端もいかない幼少だったアレクは少年へと成長し、内包する魔力も更に増大し、剣の腕前も一人前と認められた。そんなアレクは14歳となり、村を出て行くこととなった。冒険者となるために。
才能に溢れた少年は冒険者となり、何を為すというのか。それを見つけるために、アレクは大きな一歩を踏み出すのだった。
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