第32話

ミモレが一条と付き合いだして2ヶ月が過ぎた。

「そろそろ、サキュバス界に戻るか? ミモレ?」

スカーレットが出し抜けに言った。


「え!? 姉さん、今なんて言いました?」

「だって、もう当初の目的を達成しただろう?」

スカーレットはミモレに言った。


「確かに一条さんとお付き合いしてますけど」

ミモレは俯いて話し続けた。

「わたし、サキュバス界より人間界の方が好きです」

ミモレはスカーレットに宣言した。


「じゃあ、これからも人間界で暮らし続けるか?」

「はい」

スカーレットはミモレの様子を見て、頭をかいた。


「参ったな、1年で帰るつもりだったけど」

「姉さん・・・・・・」

ミモレは祈るような気持ちでスカーレットを見つめた。


「しょうがない、高校卒業までは人間界にいようか」

スカーレットはため息をついて笑った。

それを聞いてミモレはホッとした。

「それじゃ、あと2年はみんなで仲良く楽しもうか」

「はい!」


ミモレは勢いよくうなづいた。

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純情、サキュバス 茜カナコ @akanekanako

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