主人公の女性海軍軍人ルティーナが乗る軍艦がある日、火災に見舞われます。
みんなが逃げる中、その軍艦の艦長ルウムは何故か必死に船首像を守ります。
そんなルウム艦長の姿に呆れるルティーナ。
その後も事あるごとに船首像にご執心のルウム艦長を見たルティーナは……
美人とはいえ木で出来たただの像。
それを巡って右往左往する人々の様子が面白い作品です。
この船首像を中心に物語が進んでいくのですが、冒頭では火災に見舞われ、後半ではピンチやアクションありで飽きさせない展開が続いて面白かったです☆
私が作者様の作品を読んだのはこの作品が初めてです。
この作品は「ロワールハイネス号の船鐘」スピンオフ作品とのことですが、小説概要に”単独で読める”とある通り、「ロワールハイネス号の船鐘」を読んでいなくても十分楽しく読めました!
作者の代表作『ロワールハイネス号の船鐘』と同じ世界の、ほんの少し前の物語。
海軍女性士官を勤める主人公・ルティーナが語る物語です。
彼女はある軍艦の副長。上司である艦長に淡い恋心。
でも艦長は、海軍の宿敵「フラムベルク」と呼ばれる海賊のことで頭がいっぱい。さらに海の女神をかたどった船首像にご執心の、謎の多い上司なのです。
海賊との戦いと、海軍での仕事ぶり、複雑な人間模様が、海と船に造詣の深い作者によって生き生きと描き出されます。
もちろん、ルティーナの恋模様も気になるところ!
あなたもぜひ、ともにロマンあふれるエルシーアの海へ!