第5話 雨は全てを流してくれらしい
サァー……
「あっ!? 洗濯物」
いつのまにか雨が降っていたらしい。急いで洗濯物を取り込みだした。
あの日奏は昔の彼氏に追いかけられたらしく、その勢いで道路に飛び出て、予期きれなかった車に跳ねられてしまったらしい。元彼たちが追いかけた理由は中学の頃、奏に襲ったことを後悔しどうしても謝りたかったらしく、高校に入ってからずっと奏のことを探していたらしい。
もし、あの日奏での元にいてあげられたら、奏は死ななかったかもしれないと何度も自分を恨み、時には奏の元へ行ってしまおうか、なんて考えた。
けれど俊介と出会って、茜が生まれてからは段々落ち着いてき、自分を恨む回数が減っていった。もしかしたら、天国の奏は怒っているかもしれない。
「ママ」
「うーん、どうしたの?」
茜が絵を描き終えたらしく、私に見せようと来たので後ろを振り返った。その絵は全体的に黒が塗られており、真ん中に黄色い満月と拙い絵で女性が描かれていた。
「……!?」
それは、あの日見た景色とそっくりで、一瞬、笑っている奏の姿がチラッと見えたような気がした。それと同時に忘れていた、あの言葉が口から出ていた。
『奏、死なないで』
花の名前よ @kannheru
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