第8話 待ち伏せ常習犯


 顔を上げるとララがいた。相変わらず人目を引く。

鮮やかな金髪の髪がなびき、友人を見てるその端正な横顔。制服から出た四肢は白くすらっと細くて長い。薄く色付いた唇が笑うたびに綺麗に形が変わる。

周りの生徒はモーゼの海割れのごとく密集していたのが割れて彼女が通るための道が見えるようだ。


「うわっ!西棟の妖精がいるぞ。今日下校時間一緒とか幸せかよ」


「眼福だよ〜この後のバイトも頑張れるというかあの方が生きてるだけでもうこの世の宝よね?」


 校門付近の大勢の男女が頬を染めたり、歓喜したりただ一人を見てる。いつもと変わりない光景だけどこれは異常だ。



 こんなに近くから見るのはいつぶりだろう。

 奇跡的に同じ高校で再会出来たというのに教室に行ったり待ち伏せもしたりしたが番犬に断られたり、番犬に断られたり、断られたり…で昨年は無駄な一年を過ごすことになった。


 会って久しぶりに声を聞きたいし目を見て話したい。

もう彼女が誰を好きでも、俺の気持ちはずっと変わらないしもう十分俺は強くなったと思う。

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俺は恋をこじらせたいわけじゃない (こいこじ) 南雲ろった @lkumo

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