この小説で白眉なのは、息づかいや想いさえ感じられるラリー描写でしょう。球のスピードから感じられる、主人公の思いが痛いほど伝わってきます。そしてラストの彼女の言葉。ピュアなラブソング聞いているようなテンポの良さも加わって、読後に清涼感を感じる。そんなストーリーでした。
本作は中学の卓球部に所属する主人公が、同級生の女子とラリーをするところから始まります。今までは何となく惰性で生活していた彼でしたが、彼女とのふれ合いを切っ掛けとして、卓球に勉強にと努力する意義を知り、同じ高校へと進学していくのでした。そして、ほのかな想いとともに時は過ぎ去り、高校三年生となったある日のこと、二人は再びラリーをすることになります。果たして、ラリーはどんな決着を迎えるのか、それは物語を読んで確認してみてください。
テンポ良くていいですね!努力が報われる感じ、好きです。